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side*大貴
…………っはぁ、
『はいOKでーす!ありがとうございましたー!!』
はっ、ぁ…………はぁ……
『速やかに捌けてくださーい。ご協力お願いしまーす!』
大貴「……、っ!」
合わせた背中が、激しく揺れていて。
小刻みに震える手に目を落とし、頼りなく細い手首を握った。
大貴「……山田、」
涼介「はぁ……まだ、だいじょぶ…………っ」
覗き込んだ顔は、ダンスの後だからと説明がつけられないほど汗をかいていて。
今にも前に倒れ込みそうな山田の腕を肩に回させると、腰を持ってステージから降りた。
大貴「山田、もうちょっと頑張れ。
10数えたら楽になるから。一緒に数えるよ。」
カクンと折れた脚はもはや使いものにならず、半ば引きずるように近くの椅子に座らせる。
付けっぱなしのヘッドセットを首まで下ろすと、重力に負けて頭をだらりと垂らした山田。
大貴「やまだ、やまだぁー?」
涼介「ん……」
肩を叩いて意識を呼び戻すと、衣装のポケットからブドウ糖を取り出した。
大貴「どんな感じする?力入んない?」
涼介「ん、……てい、けっとう…………」
今は血糖値を測れない。本人に症状を聞くのが一番だ。
大貴「うん、分かった。口開けて?これ舐めたら楽になるからね。」
顎を持って口を開けさせると、封を切ったブドウ糖を舌に乗せてやる。
大貴「終わってから何分経った?」
マネ「まだ5分だよ。」
マネージャーに時間を聞いて、
動悸がするのか、胸をゆっくりさする山田の腕を撫で、落ち着くのを待った。
.
大貴「山田、どう?」
涼介「うん……マシになった、」
怠そうではあるものの、受け答えもきちんとしているし、手の震えもなくなりほっと胸を撫で下ろす。
涼介「……早く、退けなきゃだよね」
大貴「ゆっくりでいいんだよ。」
周りの状況を見て、迷惑になるでしょって困り顔の山田は自分で椅子から立ち上がるもんだからヒヤッとする。
大貴「よいっしょ、到着ー」
涼介「……はぁ、」
楽屋のソファーに寝かせると、血糖値を測って正常値なことを確認。
ぼーっと目を開けている山田の目に手を被せて、すぅ……と眠りにつくのを見守った。
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ゆりあ(プロフ) - JUMPLOVEさん» 大変遅くなってしまい申し訳ありません(;_;)また更新を再開致しましたので、ぜひご覧下さい…! (2021年6月1日 21時) (レス) id: 551d67bbc3 (このIDを非表示/違反報告)
JUMPLOVE - 久しぶりに山田さんの病系を読もうと思ったら、またまたゆりあさんが素晴らしいお話を…!!だいぶ遅くなってしまいましたが、イケメン兄貴・有岡さんとツンデレ・山田さんにやられました…もうほっぺゆるゆるです!!笑 次のお話も楽しみに待ってます!( ´∀`) (2021年3月29日 0時) (レス) id: 8ab2b29f53 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりあ(プロフ) - JUMPLOVEさん» ありがとうございます…!!病系以外のこともお褒めいただいて光栄です(;;) 私の書くありやまちゃんを「大好き」と言っていただけるなんて…うぅ、これからも頑張ります(;;) (2021年2月8日 11時) (レス) id: 551d67bbc3 (このIDを非表示/違反報告)
JUMPLOVE - これ以上有岡さんがイケメン兄貴への道を進んでしまったら私は正気でお話を読める自信がありません(めちゃくちゃ褒めてます)。ゆりあさんの書く有岡さんが大好きなんです…!!これからもっと進化するのかと考えたらもうワクワクが止まりません!!(´∀`=) (2021年1月30日 17時) (レス) id: 8ab2b29f53 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりあ(プロフ) - にゃんこさん» ありがとうございます……!頑張ります(;_;) (2021年1月19日 23時) (レス) id: 551d67bbc3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆりあ | 作成日時:2021年1月8日 21時