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side*涼介









「……すぐ無理するから」

涼介「っ……ん、」




モヤがかかったようにぼんやりとした意識の中、ふいにそんな声が聞こえた。


返事をするのも億劫で、白く曇るそれが少し濡れていて気持ち悪い。





「あーもう、ダメダメ。それ外さないの」


力の入らない手でずらした酸素マスクを、いとも簡単に戻される。









ここは……多分ロケ車の中。



見た感じ中には俺とマネージャーの裕翔しかいなくて、窓も暗くて外の様子がよく見えない。





裕翔「大丈夫。休憩中だから」

涼介「でも……」




必死に言葉をつなごうとすると、

あ、そうだ。と思いついたように俺の言葉を遮った裕翔。







裕翔「苦しくなったらすぐに知らせてって言ってるでしょ?」

涼介「……ごめっ、なさい……」







その声には心配の色が混ざっていて、背中に滑る手は優しいし、覗く顔は眉が下がっている。







……迷惑、かけたな



自分でも気をつけていたはずなのに。

今日病院行ったからって、油断してたのかな……









___

_____






数時間前……






スタジオでの撮影を終えた俺、知念、圭人の3人を乗せたロケ車は、スタジオ近くの公園に向かった。




天気もよくて、風もないし、少し寒いくらいで絶好の撮影日和。


フリスビーやサッカーボール、野球などの道具が用意されていて、

なんとなく気分も昂揚して、素直に楽しんでいた。









……そんなとき






撮影も中盤くらいだって時に


一旦休憩を挟まれ、知念や圭人が寄ってきたかと思えば、深呼吸を促された。







平気だって手を振ったのに

俺の気持ちとは反対に、心臓が嫌な音を立てて、うまく息が吸えなくなったんだ。

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ゆりあ(プロフ) - 華さん» コメントありがとうございます(´;ω;`) 読み返していただいていたなんて恐縮です……!受験生なので更新はゆっくりペースになってしまうかと思いますが、楽しく書かせていただきます!! (2020年6月28日 19時) (レス) id: 551d67bbc3 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - コメント失礼します!今日たまたまこの作品を見返させてもらってたので、更新がとっても嬉しかったです!ついコメントしちゃいましたっ笑笑 このお話大好きです!更新楽しみにしているので、無理なさらずに頑張ってください! (2020年6月27日 21時) (レス) id: 40d9b2d054 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりあ(プロフ) - JUMPLOVEさん» コメントありがとうございます(;_;)正直あまり自信が無かったのですが、にやけて頂けたみたいで良かったです……!!暫くまだまだ続きますので、これからもお隣さんライフをお楽しみください〜! (2020年4月19日 20時) (レス) id: 551d67bbc3 (このIDを非表示/違反報告)
JUMPLOVE - あ……これはニヤニヤしてしまうやつだ…と気づいたのが遅すぎました。だって気づいた時にはもうゆっるゆるだったんですもん← いつもこうなってます。ゆりあさんのお話を読むとお決まりです() お隣さんライフ最高です!!(`・ω・´)b (2020年4月19日 0時) (レス) id: e3c5443f13 (このIDを非表示/違反報告)
KannaK(プロフ) - いえいえ!全然大丈夫です! (2020年1月11日 8時) (レス) id: 677bcbe69e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆりあ | 作成日時:2019年10月14日 18時

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