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side*涼介
『はい、カットーー!!お疲れ様でした!』
よく通るその声に、音までもを聞こえにくくしていた耳が気づいた。
…その瞬間、
涼介「…ぁ…はぁっ、」
俺の体を蝕むようにじわじわと広がっていた腰の痛みで、全身の力が抜けていく感覚がして
痛みというか、だるさというか、そんなものはどうでもいいんだけど。
涼介「…っ、ゆ…とくっ…」
裕翔「やま…?」
咄嗟に、もう半ば反射的に裕翔の服を掴んでいて
…気づいたら、腕の中だった。
侑李「ちょ、涼介大丈夫?」
裕翔「撮影中も腰痛がってたんだよね」
光「これ熱高いよ…関節痛かな?」
裕翔「やま、立てる?」
なんだか体がふわふわしてきて、声をかけてくる裕翔に返事をするのもしんどくて
そしたらいきなり体が浮いて、目線が高くなった。慌てて周りを見ると
裕翔の顔がすぐ近くにあった。
裕翔「とりあえず車の中行こ」
これって男が女にやるもんじゃないの、って言いたかったけど
正直もう口を開くのも億劫で、息が苦しくて。
涼介「…ん」
そのまま身を任せていたら、俺の体は車の座席…少し倒れた席に降ろされた。
涼介「あ…」
裕翔「お礼は治ってから言って?」
冷たく放つその台詞とは対照に、頭を撫でてくれるその手はやっぱり優しくて
…ひんやり冷たいのは、多分俺に相当な熱があるからだろうな。
大貴「山田、病院行くぞ」
忙しそうに俺の横に乗り込んできた大ちゃんに、
さっきまでの笑顔はなく、焦ったような顔をしていて、ちょっと怖かった。
裕翔「じゃー大ちゃん、あとは任せた」
大貴「おう。そっちもな」
そんな会話を早口で終わらせ、最後にもう一度俺の頭を撫でた裕翔。
そんな裕翔の後ろ姿を眺めていると、
うまく力の入らない手が、優しく包み込まれた。
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ゆりあ(プロフ) - ももたさん» リクエストありがとうございます。今回は質問箱で募集していたのですが........インフルのお話はすでに頂いているものがあるので、そちらと繋げさせていただきます.......! (2019年9月16日 22時) (レス) id: 551d67bbc3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりあ(プロフ) - だぁゆ ぅさん» 把握です!応援ありがとうございます! (2019年9月16日 22時) (レス) id: 551d67bbc3 (このIDを非表示/違反報告)
ももた(プロフ) - リクエストです。山田くんが高熱を出して、大ちゃんが病院に連れていきインフルの検査をして結果、インフルだったというのでお願いします。ちなみに!山田くんは病院が嫌いという設定で出来ますか? (2019年9月7日 23時) (レス) id: 2f4d81a89f (このIDを非表示/違反報告)
だぁゆ ぅ(プロフ) - ゆりあさん» 元はなりんかです! ありやまっていいですよね() いえいえ!これからも頑張ってください! (2019年9月7日 17時) (レス) id: 487b9b0d9a (このIDを非表示/違反報告)
ゆりあ(プロフ) - はなりんかさん» 良かったです笑 思いっきりありやまさせます!!!← ありがとうございます! (2019年8月24日 10時) (レス) id: 551d67bbc3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆりあ | 作成日時:2018年7月21日 20時