頑張り屋さん

■： ページ8

side*慧









大貴「俺らはさ、山田に…、頼って欲しいんだ」




山田と大ちゃんは、背丈が似てるから。


自然と目線が合って




大貴「もちろんここにいる皆も、知念や、裕翔と圭人も同じだよ？」


涼介「…んっ…ふぇっ…あっ、」


大貴「…ん？なーに？」




いつも強がりな山田を一瞬で泣かせた大ちゃん




涼介「あっ、あの……ね」


大貴「…うん」




それから山田は、


ぽつり、ぽつりと話してくれた。



この前仕事に遅れたこと


スタッフたちにコソコソ話されたこと


嫌な噂が広まったこと。


全部、話してくれた




大貴「そっか…辛かったね、苦しかったよね……気づいてやれなくて、ごめんな…っ」


涼介「ん、なんで…」


大貴「…ん？」


涼介「なんでっ…大ちゃんが…泣くの、さぁ…」




泣きながら山田は言う。


そうしたら、大ちゃんが慌てだして…




大貴「あっ、いや…め、目薬？いやぁー、花粉症はキツイわぁ」


涼介「…ふふっ…なにそれぇ」




ふふっと笑って、山田の頬の緊張がとけた


気のせいかな…声にも余裕が生まれたような。




宏太「涼介は1人じゃないんだよ」


光「俺らがいるから」


雄也「いつでも相談してよ。待ってる」


慧「みんな山田のこと好きだからさ」


大貴「ほら、こんなにいっぱいる。山田は1人じゃない。俺らが守るから」




自分の気持ちを伝えると、山田はうんうんと頷いてくれた。



いい感じに穏やかな空気が流れたとき……




「ちょっと！僕たちのこと忘れないでよね」


「そうだよ！俺たちだって、やまの力になりたいんだからっ！」


「山ちゃんは、俺が守るっ」




楽屋のドアの前には、ちょっと怒ってるけど


なんだか嬉しそうな、知念、裕翔、圭人の姿が




涼介「…ありがと」




そんなみんなを見て、山田は幸せそうに笑う


ほんと、JUMPってあったかい。

■：→←■：

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す