頑張り屋さん

■： ページ47

side*大貴









”カット！！”




放送が終わったら、すぐに医務室へ連れていこう


ワイプに映っていない時には、そんなことで次の行動を順序だてて準備をしていた。



、でも




涼介「……っ、」




カットがかかったその瞬間


その場にいた全員が肩の力を抜くのと同時




大貴「…山田！！」




まるでそれは、待ち構えていた誰かに糸をプツリ、
と切られたように



山田の体は、俺の視界から消えた。









.









良くいえば、山田を救いたかった。


…悪くいえば、周りが見えていなかった




宏太「大ちゃん、あとは隊員さんにまかせよう」




山田は大丈夫だ


そう言う薮ちゃんを見て、多少の罪悪感を感じたものの


俺も少し冷静になろうと思う。




大貴「…うん、わかった」




脱力した山田を抱き抱え、あいつの高すぎる体温と真っ青な顔にやっぱり俺は動揺してた。


救いたいという思いだけでは、どうにもならないことがあることくらい、俺だって知っている。




マネ「車回して来ました！…乗りますよね？」




本当、JUMPの周りには優しい人がいっぱいだよ。


ワイプでも山田が極力映らないように調整してくれていたり、


色々と走り回っているスタッフだっていた



今だって、状況を判断した関係者の誰かが救急車を裏に呼んでくれていたり、


ボクらを病院まで届けてくれる人だっている。




宏太「ほら、いくぞ」




いまいち何が起こったのか把握しきれていないメンバーの肩を強めに叩いて、


薮ちゃんが歩き出した。

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