頑張り屋さん

□： ページ33

side*圭人








圭人「わわっ！ちょっと、大丈夫なの？」




また別の日。


今度は俺と山ちゃん2人のラジオ収録。久々だよ。山ちゃんがね、俺とやりたいって言ってくれたの


スマホで聞いてたんだけど、もーそれ聞いた時、正座しながら拍手しちゃったよ。もう。




涼介「…あー、ごめん」




収録中も何度かガクガク首が落ちたんだけど、終わって廊下を歩いていると、今度は膝からガクン


手すりに捕まって体を支えようとするけど、すべって床に手をついてしまう。




圭人「…ねぇ、ホントに寝れてる？」


涼介「…ううん、ちゃんと休みもらえてる。ごめん、迷惑かけて」




手すりを頼りによじ登って、ヨタヨタ歩く山ちゃんの背中は、いつも見てる頼もしい背中。何でも任せられる大きな背中。


……なんて、俺の口からは言いたくないけど、そんなカッコいいものじゃなかった


なんか、ちょっと押したら簡単に崩れ落ちてしまうような、そんな言葉が型にはまると思う。









圭人「ねぇ、大丈夫？」


雄也「怖い夢でも見たのか？」


大貴「何を！お化け屋敷じゃ、あるまいし…」


光「わかる、俺も猫が出てくるともう…うあっ…」


侑李「もぉ、ハマってるゲームあるなら教えてよ！」


裕翔「やま、この照明は○△✕○△と言って目への刺激が…」


慧「はぁ！？白米食べてないから元気でないんだよ！とりあえず朝はちゃんと食べなさい！」


宏太「明日はOFFなんだって？しっかり休めよ」




次の日も、また次の日も、一週間たっても、山ちゃんの"疲れ"が取れることは無かった。


そんな山ちゃんに、初めはいじっていた皆もいつしかピリピリし始めていた

□：→←□：楠木りずむさん

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す