頑張り屋さん

□： ページ21

side*涼介









ふわっと包み込まれた体


下を向いていた俺の目には、いつの間にか大ちゃんのふわふわな頭があった。




大貴「迷惑とか、普通に嬉しいしっ！遠慮される方が嫌だっつうの！」


涼介「……大ちゃん」




俺は、間違っていたのかもしれない


1人で我慢して、耐えて、皆の前では普通にしてようって…

間違いだったんだ。




涼介「ぐすっ…大ちゃん…ごめっ」


大貴「謝んなよ。…他に言うことあるだろ」


涼介「んっ…ありがと」




そう言う俺を見上げて笑う。


この笑顔が…大好き


大ちゃんの、人を幸せにするこの笑顔が


大好き。






.









大貴「入るよ」


涼介「うん、」




楽屋の前


賑やかな話し声が廊下まで聞こえてくる。


行く前、ぎりぎり36度台になった俺は、大ちゃんのお許しを受けて仕事に来た。


今日は、全員で雑誌の撮影



カチャ



控えめに、大ちゃんがドアを開ける。


続いて俺も中に入った





.







嫌だな…この沈黙




大貴「皆。山田から話あるって」


涼介「…え、」




突然の振りに、思わず振り返ってしまう


すると、



トン＿



大ちゃんが、俺の背中を押した。


優しく微笑んで、"がんばれ"って




涼介「っ、えっと…昨日はごめんなさい！」




皆の視線が怖くて、目を閉じて下を向いてしまう




涼介「俺……体調管理もろくに出来てなくて、練習もみんなの足引っ張って…」




"ごめんなさい"そう言おうとしたら、


ふわっと頭に乗った、何か。


見上げると、




宏太「もういいって。謝んな」




優しく微笑む、薮くんの手




宏太「俺らもさ、気づけなかったし…俺らの方こそ、ごめん」




いのちゃん、雄也、知念、裕翔、光くん、圭人


皆が口を揃えて謝った。




涼介「みんな…」


雄也「迷惑じゃないとか、そんなんじゃなくて」


慧「俺らは、迷惑かけてほしいの」




でしょ？って大ちゃんが俺をみて笑う




涼介「…ありがとう」




みんな表情から緊張が消える


つられて俺も、強ばっていた頬が緩んで、笑っていた。



「Hey!Say!JUMPさん！お願いします！」


「「はーい！」」




皆がドアへ向けて歩いていく


俺も続くと、ふいに肩を掴まれ




宏太「今日もセンターよろしくな」




力強い目で、でもあのふにゃっとした笑顔で薮くんが言った。



誰もいなくなった楽屋


ドアでは大ちゃんが待っててくれて



大好きな笑顔で、微笑んでくれる。









fin.

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