□: ページ17
side*大貴
涼介「俺って、さ…」
大貴「…うん」
はぁっと山田が息を吐いた
ごくりと唾を飲む俺
涼介「……いる意味、あんのかな」
大貴「…え?」
俯いて、淡々と話す山田の表情は読み取れないけど
きっと泣いてる。
隠したってバレること、分かってるくせに。
涼介「…センターの俺って、必要?皆の先頭に立って、引っ張ってく自信ないし
大ちゃんみたいに明るくないし、知念みたいにダンスだって上手くない。
圭人みたいにかっこよく英歌詞歌えないし、裕翔みたいに皆を笑顔にできない」
大貴「そんなこと…!」
涼介「じゃあ、ずっとナヨナヨ悩んでる俺を面倒くさいと思わないの?
いのちゃんみたいに器用になんでもできるわけじゃないし、光くんみたいにポジティブじゃない。
雄也みたいにあったかいこと言えないし、薮くんみたいに皆のことまとめれない。
俺って…」
大貴「っ!そんなこと言うんじゃねぇよ!!」
俺の中で、何かが切れた気がした。
俺が急に大声を出したから、びっくりして顔を上げた山田
…ほら、やっぱ泣いてんじゃん
大貴「…いらないとか、必要ないとかっ……そんなこと、…言うんじゃねぇって!」
涼介「…なんだよ、俺の気持ちなんて知らないくせに」
大貴「…んなもん知らねぇよ!……お前だって、皆の気持ち知らねぇじゃんっ」
涙で潤んだ瞳で俺を見る
泣いた山田の顔を見るのは、いつぶりだろうか。
こうして弱音を、本音をはいてくれるのは、いつぶりだろうか。
大貴「…センターだからっ、センターだからって皆のことまとめられなくたっていいじゃん!
知念だって山田の背中見て上達したんだし、圭人みたいに歌えなくてもお前には甘いマスクがあるじゃんか!
高木も薮くんも、センターはお前しかいないって言ってたし、俺だってお前の笑顔に救われてんだ!
裕翔が今笑ってられんのも、お前にセンター任せられると思ったからなんだよ!
いのちゃんみたく器用じゃなくたって、ひかみたいにプラス思考じゃなくても山田は山田だろ?
ほかの誰かと比べる必要があんのか?
…だからっ、だから…
そんなこと…言わないでくれっ…」
一気に言って、はぁっと息を吐く。
山田は驚いた顔をしながらも、堪えていたはずの涙は溢れ出していた。
1082人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
M - どうやったら『お隣さん ar×ym』見れますか? (2022年3月19日 18時) (レス) id: 3da430cefd (このIDを非表示/違反報告)
イケボな紳士といちご。(プロフ) - ゆりあさん» よろしくお願いします!楽しみにしています! (2018年3月11日 9時) (レス) id: 5632987c7a (このIDを非表示/違反報告)
ゆりあ(プロフ) - 鰹節さん» お返事ありがとうございます!書かせていただきますね(*˙˘˙) (2018年3月11日 8時) (レス) id: 551d67bbc3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりあ(プロフ) - ( ^ω^ )さん» お返事ありがとうございます!書かせていただきますね(*˙˘˙) (2018年3月11日 8時) (レス) id: 551d67bbc3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりあ(プロフ) - イケボな紳士といちご。さん» お返事ありがとうございます!書かせていただきますね(*˙˘˙) (2018年3月11日 8時) (レス) id: 551d67bbc3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ゆりあ | 作成日時:2016年5月5日 14時