4話 ＮＯside ページ5
―――保健室
ハガネ「真理衣ちゃんって誰にでもあんな風なの。でも通すべき筋はちゃんと通すし、言ってることもあながち間違いじゃないような気がする」
そういうハガネに対してタオは服を拭いながら睨みつけた
ハガネ「…タオ、あんな風に敵意をむき出しにされたら…みんなだって受け止めようがないよ？」
するとタオは手に持っていたタオルを水の入った桶に投げた
タオ「だったらまた追い出せば？その方が先生も気が楽でしょ！」
ハガネ「ちょっと、！タオ！！」
―――帰り道
ともりはあかり、美奈、リサ、せりの四人と一緒に帰っていた
あかり「ねぇなんか面倒なのが転校してきたね」
ともり「面倒って…拗らせ方は大して私たちと変わらないでしょ」
せり「タオが可哀想だよ。いきなり両親と引き離されて来たのに、ヤケになるのも無理ないよ」
リサ「…でもあんな風じゃ怖くて声かけられないよ」
―――同時刻、別の通学路
聡羽「タオって感じ悪いよな」
隆行「つーか真理衣とやりあった時の目、ちょー怖いんだけど」
裕一郎「うん、怖かったよな」
聡羽「犯罪者の娘だもん。何やるかわかんないぜ？」
広「…そういうこと言うの、やめなよ！」
聡羽「は？広お前何言ってんの？」
隆行「あの女の味方すんのかよ」
優介「まぁいいじゃん。あんなの適当に無視しとけばさ」
すると後ろから上級生の男子たちが走ってきた
「おい！お前ら4年3組だよな？」
優介「え…そう、ですけど…」
「転校してきたタオって女、いきなり暴れたんだって？」
聡羽「はい…」
「俺の従兄弟も前の学校で、怪我させられたんだ」
「「えぇ…！？」」
「調子乗りやがって、…行くぞ！」
それだけ言って男子たちは走って帰っていった
一方その頃タオは図書館で1人本を読んでいた。色々な国のことが書かれた図鑑のなかの「セラヴィナ共和国」のページをじっと見つめていた
その本には「インド洋のゴミ箱」や「子供も働く貧しい環境」「死亡する人の過半数以上が疫病」などと書かれていた
タオはふと、近くにいた3人組で仲睦まじそうに話す女の子たちを見つめ、羨ましそうな目をしていた
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作者名：水月 | 作成日時：2022年2月16日 17時
