22話 ともりside ページ23
ハガネ「…こんなやり方でしか、解決できなかったんですか？」
水沢「…子供とはいえ、彼らのしたことは明らかに違法行為です」
ハガネ「じゃあ、法に触れさせた側の責任はどうなるんです？子供たちをここまで追い詰めたのは大人の責任でしょう？…子供たちと話をさせてください。ほんの少しで構いませんから…お願いします」
水沢「…10分だけですよ」
大きな体の男の人は他の人達を連れて去っていって私たちと先生たちだけが残った
ハガネ「…あなた達何やってんの！教室戻んなさい！」
そう言われて私たちは静かに教室に入った
ハガネ「みんな！先生、肝心な時にいなくてごめん！まさか、みんながここまでやるとは思わなかった…先生、みんなのこと見直した」
優介「…でも結局タオを守ることは出来なかった」
ハガネ「確かに、それは残念だった。でもね？みんなが頑張ってくれたことは決して消えたりなんかしない。…そうだよね、タオ」
タオは力強く頷いてくれた
真理衣「…ハガネはそれでいいの？セラヴィナに戻ったらタオは地獄のような場所で生きてかなきゃならなくなるんだよ？それで平気なの？！」
ハガネ「平気じゃないよ。…ううん、平気じゃなかった。
先生ね？この週末、セラヴィナに行ってきたの」
「「えぇ？」」
ハガネ「セラヴィナは想像してた以上に過酷な環境だった。臭いもきついし、正直食事も食べられなかった。タオがこの国で本当に生きていけるのかどうか、不安になった。何も出来ない自分の虚しさに腹が立って腹が立って…涙が出そうになった。
でも、一つだけ希望があったの。そんな残酷な世界にも、希望はあったの。それはね、学校だった。そこには、4年3組のみんなのような仲間がいる。どんなに辛くても友達がいれば、学校があれば、人はきっと生きていける。
あの子たちなら、タオを笑顔で迎えてくれる。それが、きっとタオの希望になってくれるって先生思ったの。
もちろん、笑ってタオを送り出すことなんて出来ないよ？でもね、先生はその希望に縋りたいって思ったの。信じたいって思ったの」
タオ「…みんな、いつまでもそんな顔しないで！私なら、本当に、もう大丈夫！芳賀先生やみんなに勇気もらったから！…一生忘れられない思い出、できたから！」
広「タオ…」
タオ「私も、芳賀先生が見つけてくれた希望を信じてみる。信じてみようと思う！」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 9人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：水月 | 作成日時：2022年2月16日 17時
