17話 ともりside ページ18
―――教室、ともりside
今日はみんなでドッヂボールをして寒さを吹き飛ばした
教室に戻ると真理衣が1人、自分の席に座っていたけど私たちが教室に入ると立ち上がってタオの肩を掴んだ
真理衣「タオ、あんたどうして笑ってられるの？セラヴィナがどんな国か、あんた知ってるんでしょ？！
あんな貧乏な国に、送り帰されて平気なの！？」
タオ「…仕方ないじゃない。それが日本の法律なんだから。私はそこで生きていくしかないの。生きてかなきゃ行けないんだもん」
ともり「…真理衣、急にどうしたの、？」
真理衣「…うるさい！」
そう言って真理衣は教室を出ていった
―――ＮＯside
夜、ハガネの携帯に急な電話が入った
ハガネ「もしもし、…え？タオのおばさんが？」
警察からの電話で、急いでハガネは警察署に向かった
ハガネ「水沢さん！タオのおばさんは？」
水沢「今は事情聴取を受けているところです」
ハガネ「あの、一体何があったんですか？」
水沢「市民団体が家の前まで来て、一悶着あったようです。市民団体によると、タオのおばさんに暴力を振るわれたそうで…」
タオ「そんなの嘘です！！おばさんはビラを貼る人たちを止めようとしただけです！」
水沢「まぁ相手には怪我はなかったですし、すぐに開放されるそうです。…ただ、このトラブルをきっかけにつけてマスコミが騒ぎ始めています。恐らく…それが連中の狙いだったんでしょう」
ハガネ「そんな…」
水沢「とりあえず、タオを今夜よろしくお願いします」
そう言って去ろうとする水沢をハガネは追いかけて小声で話した
ハガネ「あの、タオはどうなるんですか」
水沢「後日、改めて連絡します」
気持ちが追いつかないまま、ハガネはタオを連れて家に帰った
タオ「…先生、どうしてみんな私たちを目の敵にしようとするのかな…？私が本当は嫌な子だからかな…？」
ハガネ「嫌な子って？」
タオ「私ね、みんなと仲良くなれてすごく嬉しかった…でも時々ずっと日本にいるみんなが羨ましくて、悔しくて、妬んでる時があるの
それに…本当はお父さんとお母さんと一緒にずっと日本で暮らしたかった…」
ハガネ「…タオは、嫌な子なんかじゃないよ
タオの立場になれば、誰だってきっとそう思うよ」
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作者名：水月 | 作成日時：2022年2月16日 17時
