16話 ともりside ページ17
帰っていったのを見てみんな一斉にいぇーい！と声を上げてタオのところに駆け寄ってきたから話しやすいようにと思って私はタオから少しだけ離れた
あかり「タオ、今度またあいつらが変なことしたらすぐ言って！あたしが蹴り入れてやるから！」
ともり「あかり、喧嘩っ早いから気をつけてよね」
南美「…先生に聞いた。私たちと別れがつらくなるからわざと悪ぶってたんでしょ？」
聡羽「…ごめんな」
美奈「もう、嘘つかないで。嘘つくの、つらいでしょ？」
せり「セラヴィナに帰るまで、思い出いっぱい作ろう？一生忘れられない思い出作ろうよ！」
優介「そうだよ！先生がさ最初に言ってたじゃん。みんなで仲良くやろーぜ！」
タオ「っ…ごめんなさい、！！嘘ついて、ごめんなさい…！酷いこと言ってごめんなさい…！ごめんなさい…！！」
「タオ、気にしないでいいよ！」
「そうだよ！」
「気にしないで！」
「もういいよ！」
優介「おい広、なんで泣いてんだよ！」
聡羽「なんでお前が泣くんだよ〜！」
真理衣「…バッカみたい」
それから私たちは今までとは打って変わって、タオと思い出作りをするようになった
タオは笑顔が可愛くて、頭がいいだなんて全然知らなかった。運動神経も良くて、なんでも出来るって感じだった
―――職員室、ＮＯside
真理衣「先生、日誌」
そう言って真理衣はハガネの机の上に日誌を置いてパソコンの中を覗いた
真理衣「うわ、何これ」
ハガネ「あ…うん、セラヴィナ。タオが送り帰される国」
真理衣「え…」
ハガネ「この子達ね、このゴミの山からお金になりそうな鉄くずなんかを拾って業者に売ってるの。一日中ゴミを漁って拾って…やっと家族が1回食事できる程度のお金を手に入れることが出来るの
この子達の顔、みんな真剣でしょ？自分たちの仕事に家族の命がかかってるからよ」
真理衣「…先生。タオは知ってるの？セラヴィナがどんな国なのか」
ハガネ「そりゃあ当然調べてると思うよ」
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作者名：水月 | 作成日時：2022年2月16日 17時
