×：花が足りない ページ10
「この道を真っ直ぐ行ったら食堂ね。もし俺らが居なくても、分からなくなったら近くの人に聞いて大丈夫だから」
「分かりまし、た……」
ちらちらと目に映る、武器を装備した通行人を見ると、こちらから声をかけようにもかけづらい。
いっそ自分もあの和弓を貰えたりしないだろうか。…いや、一人では中らないし必要ないか。
「今日のおやつはひとらんが作ってくれんねんで。なんやったっけ、あれ」
「たいやきだね。型を手に入れたからやってみたくて」
「たいやき！？俺もほしいです！」
もちろん、と答えたのはオスマンさんの方だった。
「お茶会にも付き合ってもらうで！男らしい男ばっかで花が足りひんの」
「流石に女性隊士を招くわけにもいかないし」
ひとらんらんさんはそう言って食堂の扉を開いた。
…………花、ね。
「全然人いないっすね」
広い食堂には人っ子一人いない。
時間もあってだろうが、広さゆえに勿体なく感じる。
「この時間はみんな訓練だよ。本当は俺たちも行かなきゃいけないんだけど…」
「今日は特別やね」
「まぁね。初めは一人だと不安だろうし、つける時は誰かがいてあげようって話なんだ」
「いつ何があるか分からないし」と呟いて、にこっと笑いかける。
何かが起こる恐怖と不安、人から滲みでる安心感が混ざりあって、俺の感情は落ち着いていた。
少なくとも、呑気にメニューを決められるくらいには落ち着いている。
上から順番に見ていき、季節限定メニューの欄で目が止まる。
今は夏だが、それは冬限定のメニューだった。
「シチュー…」
「シチューは冬限定だね」
この基地は空調が効きすぎてて、運動してない俺は寒いくらいだ。
食堂は特に、他人の熱気がない分もあってどこよりも寒かった。
基地の外に出た途端暑いけど。
「クリームシチュー…たべたいな……」
「半年待てば食べれんで」
「明日には気分変わりますよ…！？」
結局、適当な和食の定食を頼んだ。
味噌汁で体も少し温まったし、やっぱり和食は美味しいんだよなぁ。
その時、不安はもっと脳の片隅にまで押しやられていて、満足感が大半を占めていた。
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Lento(プロフ) - 南無南無さん» ひぇ…！ありがとうございます……！まだまだ続きますので、お楽しみ下さい♪(カメ) (2020年3月5日 12時) (
レス) id: 109e7882d5 (このIDを非表示/違反報告)
南無南無(プロフ) - めっちゃおもろいやんけぇ…！もっと早くに知っていたら…くそう！無念！！ (2020年2月25日 22時) (レス) id: e2dd911ff4 (このIDを非表示/違反報告)
Lento(プロフ) - 琴律さん» 全然大丈夫ですよw！めちゃめちゃ応援ありがとうございます！続きもよろしくお願いします♪(カメ) (2020年2月10日 19時) (レス) id: 109e7882d5 (このIDを非表示/違反報告)
琴律(プロフ) - すみません！！ほんまにすみません！！間違って低評価してしまいました！！！ほんまにすみません！！そんなこと一ミリも思っておりません！！応援してます！！もうめっちゃおu(( (2020年2月10日 18時) (レス) id: b4e402c9aa (このIDを非表示/違反報告)
Lento(プロフ) - 抹茶さん» コメント、応援ありがとうございます！続きもお楽しみください(≧∇≦)♪(カメ) (2020年2月10日 18時) (レス) id: 109e7882d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Lento & こい x他1人 | 作成日時：2019年11月4日 21時
