俺は戦力?非戦力? ページ41
しんぺい神さんは、俺を抱えて基地内を走る。
基地内は、むせ返るような血の匂いで溢れていた。
だが、どこにも死体はない。
片付けられたのだろうか。……。
辿り着いたのは会議室のひとつ。
中には幹部がほぼ揃っており、ゾムさんも居た。
「ーーーーーーー。ーーーー」
しんぺい神さんは自慢するように何かを言って、俺の頭を撫でる。
(…思ったんだけど、俺、高校生だと思われてなくない?もうそんな歳じゃないんだけど……)
降ろしてもらうと、空いた椅子に座るよう促される。
恐らくは兄さんの場所である椅子に座ると、俺はなんだか『間違って一員として数えられてしまった』感じがする。
「A、大切な話がある」
グルッペンさんはいつもの数倍威厳のある声で、態度で、そう口火を切った。
「我々は、この軍に内通者が居ると考えている。深くは言えないが、このままだと戦争までもつれ込む可能性があるんだ」
命令を下すとは、どれほど残酷だろうか。
「囮役を、引き受けてくれないか」
そう言ったグルッペンさんの気持ちは、読み取れなかった。
「……あ、死ねと」
けれど、その話を理不尽と感じるどころか、この命令を遂げれば、なんだか全てが終わる気がして、納得する方が早かった。
「違うっ断じて違う……!!」
グルッペンさんは片手で顔を覆って、やれやれと首を振る。
気がつくと、厳粛な空気は分散していた。
堪えきれない笑いが伝播し、部屋は笑いに包まれる。
「え?」
「命の保証はすると言っただろう。狙いがお前のようだから、ちゃちゃっと誘き出してサッと捕まえようかと…」
「なるほど…?やりますやります。俺全然囮やりますよ?」
そう言うと、大先生は焦ったように声を上げる。
同時に、数名からため息が聞こえた。
「ほら言わんこっちゃない!Aくん?俺らが守る言うてもごっつ危険な任務なんやで!?ほんまに分かってる???」
「……?」
「あかん何も分かってへん…!この子危なっかしいわ……なぁ、僕でええやんかグルちゃん!」
「大先生がやっても面白くないんじゃ〜…」
「命懸けの任務やっつっとるやろゴラァ…!」
どうやら、元々は大先生が囮役をする手筈だったらしい。
(…というか、誰の気を引けばいいんだ?)
なんて、議論はそう口を挟める状況ではなく…。
ぱっくり『賛成派』と『反対派』に分かれていた。
賛→ g.r.sy.o.k.c.(n)
反→ u.t.h.z.e.sh.si
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Lento(プロフ) - 南無南無さん» ひぇ…!ありがとうございます……!まだまだ続きますので、お楽しみ下さい♪(カメ) (2020年3月5日 12時) (レス) id: 109e7882d5 (このIDを非表示/違反報告)
南無南無(プロフ) - めっちゃおもろいやんけぇ…!もっと早くに知っていたら…くそう!無念!! (2020年2月25日 22時) (レス) id: e2dd911ff4 (このIDを非表示/違反報告)
Lento(プロフ) - 琴律さん» 全然大丈夫ですよw!めちゃめちゃ応援ありがとうございます!続きもよろしくお願いします♪(カメ) (2020年2月10日 19時) (レス) id: 109e7882d5 (このIDを非表示/違反報告)
琴律(プロフ) - すみません!!ほんまにすみません!!間違って低評価してしまいました!!!ほんまにすみません!!そんなこと一ミリも思っておりません!!応援してます!!もうめっちゃおu(( (2020年2月10日 18時) (レス) id: b4e402c9aa (このIDを非表示/違反報告)
Lento(プロフ) - 抹茶さん» コメント、応援ありがとうございます!続きもお楽しみください(≧∇≦)♪(カメ) (2020年2月10日 18時) (レス) id: 109e7882d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Lento & こい x他1人 | 作成日時:2019年11月4日 21時