お茶です! ページ17
「うーん……」
朝に見たメニュー表と同じものを眺める。
ランチメニューも朝に目を通していたのだが、なかなか気分に合うものが見当たらない。
「はぁ…」
かといって、何が食べたいのかも思い浮かばない。
朝と違うことといえば、周りが騒がしいことくらいか。
エーミール先生はゾムさんに連行されてしまったので、一人さみしくメニュー表と睨めっこする。
(…お腹すいてないし、食わなくてもいいかな)
くるりと踵を返すと、目の前にヘルメットがいた。
「おぉわ!?ヘルメっ…ショッピさん!?」
「ーー、ーーーーーーー?」
「わー…何語でしょうー……うん?」
何かを聞かれているようだが、理解出来ず首を傾げると、ショッピさんはゾムさんたちが座っている座席を指さした。
「ーーーーーーーー?」
「食べます?って言ってます?」
ついてきて、といった風に歩き出すので、素直に後ろをついて行った。
(それにしても、いつから背後に……?)
幹部席というものが指定されているこの食堂では、そこを避けるように一般兵が座っている。
エーミール先生がゾムさんにパワハラを受けているのが見える気がするが、見ないようにしてショッピさんを目で追いかけた。
ショッピさんはそこに居た大先生に耳打ちする。
「!」
ショッピさんの言葉を聞いた大先生は、新しいイタズラを思いついた子供みたいにパッと表情を明るくする。
ショッピさんは続けて「これとか、あれとか」と言うように指を折っていき、疑問符をうかべる。
「ーーー、ーーー、ーーー?」
「ーーーー!ーーー、ーーー!」
それに大先生は大きく頷き、「あとはこれかな!」と言うように言葉を返していた。
(…何話してんだろ)
英語もできない俺に分かる日なんて来ないだろうな。
話が出来ないだけでこれだけ疎外感を感じるんだ、なんてガラにもなく思う。
気づかないうちに俯いていた俺の視界は、コップ一杯のお茶で埋められた。
驚いて顔を上げると、チーノさんがそれを差し出していた。
「A!ーーーー!」
「え、俺の名前……」
「こーれ、あげるー!」
「チーノさん……!日本語まで……!」
にこにこと笑うチーノさんに感謝を伝え、差し出されたお茶をあおる。
「ッブフェッ…!!しょっっぱ!!」
「wwwwwww」
チーノさんは言わずもがな、大先生やショッピさんも、その場に居た全員が一斉に笑いだす。
「おちゃです!」
「絶ッッ対違う!」
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Lento(プロフ) - 南無南無さん» ひぇ…!ありがとうございます……!まだまだ続きますので、お楽しみ下さい♪(カメ) (2020年3月5日 12時) (レス) id: 109e7882d5 (このIDを非表示/違反報告)
南無南無(プロフ) - めっちゃおもろいやんけぇ…!もっと早くに知っていたら…くそう!無念!! (2020年2月25日 22時) (レス) id: e2dd911ff4 (このIDを非表示/違反報告)
Lento(プロフ) - 琴律さん» 全然大丈夫ですよw!めちゃめちゃ応援ありがとうございます!続きもよろしくお願いします♪(カメ) (2020年2月10日 19時) (レス) id: 109e7882d5 (このIDを非表示/違反報告)
琴律(プロフ) - すみません!!ほんまにすみません!!間違って低評価してしまいました!!!ほんまにすみません!!そんなこと一ミリも思っておりません!!応援してます!!もうめっちゃおu(( (2020年2月10日 18時) (レス) id: b4e402c9aa (このIDを非表示/違反報告)
Lento(プロフ) - 抹茶さん» コメント、応援ありがとうございます!続きもお楽しみください(≧∇≦)♪(カメ) (2020年2月10日 18時) (レス) id: 109e7882d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Lento & こい x他1人 | 作成日時:2019年11月4日 21時