第三十一話 ページ34
ご無事でなによりです。と白髪の子が、顔色を変えずに言ってきた。
「で、俺はこれからどうすりゃいい。
……刀は?」
いかにもヤンキーみたいな顔に傷のついた男がそう言うと、白髪の子が「隊服を支給させていただきます」と冷静に言った。
身体の寸法を測り、その後は階級を刻む……と白髪の子は言った。
そして階級は十段階あるという。『甲、乙、丙、丁、戊、己、庚、辛、壬、癸』と。
そして、今現在ここに居る俺達は1番下の"癸"らしい。
「……刀は?」
顔に傷のついた男がそう言う。すると白髪の子が無視して、台本を読んでいるように話し続けた。
白髪「本日、刀を作る鋼"玉鋼"を選んでいただきますが、刀が出来上がるまで10日から15日かかります」
「ハァ……んだよ」
白髪「その前に……」
パンパン……と黒髪の子が手を叩くと、突然上から鴉が飛んできた。
Aは肩に乗ってきた鴉を、人差し指で軽く撫でる。
白髪「今から皆様に、鎹鴉をつけさせていただきます」
黒髪「鎹鴉は、主に連絡用の鴉でございます」
「……カラス……?これ雀じゃね?」
あれ俺だけ??と金髪の男の子がツッコんでいると、突然ヤンキー(確定)の男が「ふざけんじゃねぇ!!」と言って鴉を投げた。
そのままズカズカと歩き出し、白髪の子の髪の毛を引っ張り出した。
「ひぃいッ」
貴方「……乱暴な奴そうだなとは思ってたさ」
「え゛……ちょ!!」
"色変わりの刀をよこせ"と白髪の子の髪を乱暴に扱う男の方へと歩き出し、髪を掴んでいる方の腕をAが掴んだ。
貴方「その子を離せよ、離さないと折るよ」
「(こいつ……ほぼ無傷じゃねぇか……!!)」
驚きながらも、男は「ッやってみろよ」と嫌味たらしく言うと、Aはゆっくりと力を強く握る。
すると……、男の手首から"ゴキィッ"と音が出た。
痛さに耐えきれず、そのまま髪から手を離した男。
黒髪「お話は済みましたか?」
貴方「……」
感情がないのかな……なんて思っていると、白髪の子が紫の布を捲る。
捲ったさきに現れたのは、同じような色と形をした刀を作る為の"玉鋼"だった。
黒髪「こちらから玉鋼を選んでくださいませ。鬼を滅殺し、己を身を守る刀の鋼は」
白髪「ご自身で選ぶのです」
「多分、すぐ死にますよ……俺は……」
そんな事を呟きながら、男の子が歩き出すと、離れていた女の子も此方に向かって歩き出した。
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もこ(プロフ) - 初コメ失礼しますね!私逆ハー大好物なので嬉しいです!鬼滅の刃のキャラ全員推しなので嬉しいです!更新頑張ってくださいね! (2023年4月14日 21時) (レス) id: 3b02df20c8 (このIDを非表示/違反報告)
アツナ(プロフ) - ひゃくまるさん» 許可もらった!!嬉しいです!!ありがとうございます!頑張ります!!(`・ω・´) (2019年8月25日 10時) (レス) id: 42ca496839 (このIDを非表示/違反報告)
ひゃくまる(プロフ) - ありがとうございます!ぜひぜひ、使って下さい!もうすぐ続編なんですね、楽しみです(* ̄∇ ̄*) (2019年8月25日 9時) (レス) id: 057beedb8c (このIDを非表示/違反報告)
アツナ(プロフ) - 上手すぎて目眩がッ!!ありがとです!(興奮)もうすぐ続編なので、使わせてくださいッ! (2019年8月25日 2時) (レス) id: 42ca496839 (このIDを非表示/違反報告)
ひゃくまる(プロフ) - http://uranai.nosv.org/img/user/data/2/9/d/29de397f5bb1d59cf9a14e1c54b4764a.pngできましたので貼っときます!作者さんイラスト上手いので気に入るかわかりませんが(^-^; (2019年8月24日 18時) (レス) id: 057beedb8c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユキ | 作成日時:2019年8月13日 3時