第二十八話 ページ31
手鬼はAに「明治何年だ?」と問いかけてきた。
Aは不思議に思いながらも、"今は大正時代だ"と答えると、手鬼は突然叫び出した。
手鬼「まただァッ!!俺がこんな所に閉じ込められている間にッ!!許さん!!許さん!!
鱗滝めッ!!鱗滝めェッ!!!」
貴方「……何故鱗滝さんを知っている」
Aは冷静にそう問いかけると、手鬼は47年前の江戸時代に、鱗滝に捕らえられた事を話した。
そしてここで、50人の人を喰ったとも言った。
手鬼「キヒヒッ……お前で14だ」
貴方「……ッなんの、話だよ」
手鬼はAの着けているお面を指で指し、"ふふふっ"と、気味の悪い笑い声をだした。
そして……
手鬼「何って……俺が喰った鱗滝の弟子の数だよ。あいつの弟子はみんな殺してやるって決めたんだ〜
____……特に印象に残ってるのはあの二人だな〜ッフフフッ」
貴方「……」
Aは何も喋らずに下を向いた。
手鬼の言っていた"鱗滝の弟子"と"狐のお面"そして"あの二人"。
その鬼が何も言わずとも、Aは全てを理解した。してしまった……。
手鬼「その狐の面は目印なんだよ!!鱗滝が彫った面の木面を俺は覚えている。
あいつがつけてた天狗の面と同じ彫り方!」
貴方「……」
手鬼「厄除の面と言ったかァ?それを付けてるせいでみんな食われた!みんな腹の中だぁ!!鱗滝が殺したようなも____」
その瞬間、手鬼の身体が真っ二つに斬られた。そして目の前に、Aは居ない。
倒れた身体の1部を動かしながら、ゆっくりと後ろを向くと……そこには____
貴方「……」
赤い瞳を鋭くさせ、睨むように手鬼を見下ろすAの姿があった。
手鬼「(なんだ……この、殺気か?
身体が、俺の手が……動かない……ッ)」
背を向けていた身体を、手鬼の方に向き直り、ゆっくりと刀を構えながら……鬼に向かって歩き出す。
貴方「……全集中・水の呼吸……」
手鬼「(ッ斬られる……いや、俺の首元は硬いんだ!!斬れるはずが……!!)」
少し歩くと、音もなくすっ……と上に飛び、下に向かって刀を振り下ろすように構える。
貴方「___捌ノ型『滝壷』……!」
そして怒涛の勢いと共に、水しぶきが出る刀を上段から打ち下ろす。
手鬼の硬かった首は、いとも簡単に切れてしまった。
落ち着いたのか、消えていく鬼を優しい瞳で見詰めるAにはもう……
____怒りは無かった。
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もこ(プロフ) - 初コメ失礼しますね!私逆ハー大好物なので嬉しいです!鬼滅の刃のキャラ全員推しなので嬉しいです!更新頑張ってくださいね! (2023年4月14日 21時) (レス) id: 3b02df20c8 (このIDを非表示/違反報告)
アツナ(プロフ) - ひゃくまるさん» 許可もらった!!嬉しいです!!ありがとうございます!頑張ります!!(`・ω・´) (2019年8月25日 10時) (レス) id: 42ca496839 (このIDを非表示/違反報告)
ひゃくまる(プロフ) - ありがとうございます!ぜひぜひ、使って下さい!もうすぐ続編なんですね、楽しみです(* ̄∇ ̄*) (2019年8月25日 9時) (レス) id: 057beedb8c (このIDを非表示/違反報告)
アツナ(プロフ) - 上手すぎて目眩がッ!!ありがとです!(興奮)もうすぐ続編なので、使わせてくださいッ! (2019年8月25日 2時) (レス) id: 42ca496839 (このIDを非表示/違反報告)
ひゃくまる(プロフ) - http://uranai.nosv.org/img/user/data/2/9/d/29de397f5bb1d59cf9a14e1c54b4764a.pngできましたので貼っときます!作者さんイラスト上手いので気に入るかわかりませんが(^-^; (2019年8月24日 18時) (レス) id: 057beedb8c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユキ | 作成日時:2019年8月13日 3時