第二十五話 ページ28
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……そして、ついに朝日が昇り、その日がきた。
鱗滝からまじないをかけた"厄除の面"を頭に飾り、青い着物を着るA。
奥の引き戸を引くと、眠っている禰豆子とその横で座って寝ている炭治郎の姿があった。
貴方「……禰豆子、炭治郎」
禰豆子の横に膝を付き、そっと白くなった二人の手を祈るように握る。
炭治郎は瞳を薄らと開け、Aの手を優しく握り返してくれた。
貴方「俺……必ず、ここに帰ってくるからな」
炭治「……」
Aはそっと2人から手を離し、立ち上がって二人に背を向けた。
「あぁ、待っている」
襖を閉じる時、後ろから密かにそんな声が聞こえた気がしたんだ。
だけど、Aは振り向かずに外へと歩き出す。
外に出れば、見送ってくれるのであろう鱗滝さんが此方を見て待っていてくれていた。
鱗滝「妹と弟のことは心配するな。
わしがしっかり見といてやる」
貴方「ありがとうございます。では!行ってきますね。鱗滝さん!
あ、そうだ……錆兎と真菰に宜しくお願いします!」
鱗滝「……!」
短くお辞儀をしてから、そのあとは振り向きもせずに走り出してしまったAの背中が見えなくなるまで見続ける。
Aの最後の言葉に、鱗滝は小さな声でぽつりと呟いた。
鱗滝「A……何故お前が…………
_____"死んだあの子達"の名を知っている」
*
_____真っ二つになった岩の上で、座っている宍色の髪をした狐のお面の少年、錆兎。
その下では、岩に背中を預ける真菰の姿。
真菰「A……行っちゃった」
錆兎「……」
真菰「……勝てるよね」
錆兎は何も言わず、コクリと頷いた。
真菰はそんな錆兎に少し可笑しそうに見ては微笑んだ。
真菰「寂しいんだよね、錆兎も」
錆兎「……煩いぞ」
錆兎の声色は、確かに何時もよりも張りがなかった。
______今宵は満月。
錆兎「(忘れるな、俺達はここで見ている。
お前が辛い時も、挫けそうな時も、その先に……
お前が望む未来をつかめるように、ここで祈りながら……)」
真菰「(忘れないでね……Aが一人じゃないこと……。
私も、他の子も……みんなAを見守っているからね)」
みんなは祈り続けてる。
人の幸せを、人の喜びを、ずっと……
_____"ここで"見守り続けている。
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もこ(プロフ) - 初コメ失礼しますね!私逆ハー大好物なので嬉しいです!鬼滅の刃のキャラ全員推しなので嬉しいです!更新頑張ってくださいね! (2023年4月14日 21時) (レス) id: 3b02df20c8 (このIDを非表示/違反報告)
アツナ(プロフ) - ひゃくまるさん» 許可もらった!!嬉しいです!!ありがとうございます!頑張ります!!(`・ω・´) (2019年8月25日 10時) (レス) id: 42ca496839 (このIDを非表示/違反報告)
ひゃくまる(プロフ) - ありがとうございます!ぜひぜひ、使って下さい!もうすぐ続編なんですね、楽しみです(* ̄∇ ̄*) (2019年8月25日 9時) (レス) id: 057beedb8c (このIDを非表示/違反報告)
アツナ(プロフ) - 上手すぎて目眩がッ!!ありがとです!(興奮)もうすぐ続編なので、使わせてくださいッ! (2019年8月25日 2時) (レス) id: 42ca496839 (このIDを非表示/違反報告)
ひゃくまる(プロフ) - http://uranai.nosv.org/img/user/data/2/9/d/29de397f5bb1d59cf9a14e1c54b4764a.pngできましたので貼っときます!作者さんイラスト上手いので気に入るかわかりませんが(^-^; (2019年8月24日 18時) (レス) id: 057beedb8c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユキ | 作成日時:2019年8月13日 3時