第十話 ページ12
あたりはすっかり明るくなり、太陽が町を照らしている中……
三つ編みを揺らす一人の人間が、畑を耕しているおじさんに話しかけていた。
貴方「おじさ〜ん、申し訳ないんだけどさー
あそこにある籠とわらに竹を少しわけてくれないか?」
「そりァ構わねぇけど……、籠は穴が空いてるぞ?」
不思議そうな顔でAを見るおじさんに、平然とした顔で「貰えるならなんでもいいさ、金は払う」と言い出すA。
さすがに子供から金を貰うのが気が引けるし、籠もボロボロだから「金はいらねぇよ」と言うが……
貴方「いいから有難く受け取れ!!少ない小銭だけどッ!!」
「ッッギャア゙ア゙ッ!?なんっつー力だお前ェエエ工!!」
Aは強引におじさんの手を掴み、小銭をバシィッ!!と渡す。
Aはスッキリしたのか、いい笑顔で籠とわらに竹を片手で持って手を振った。
そんなAにおじさんは……苦笑いをするしかなかった。
*
少し山の方に行き、小さな洞窟に着くと、Aはしゃがみ込みながら中を覗く。
貴方「炭治郎〜、禰豆子〜」
炭治「……ムー」
貴方「炭治郎……?ん?禰豆子はどうしたんだ??」
胡座をかいて待っていた炭治郎は、ゆっくりと立ち上がりAの裾を引っ張った。
そのまま洞窟の中に入ると、自分で掘ったのか……穴に埋まって顔をしかめている禰豆子の姿があった。
貴方「よっぽど日に当たりたくないんだな……
……ん?だが炭治郎は?禰豆子みたいにモグラにならなくても平気なのか?」
炭治「んーんー!」
炭治郎は急にAの周りを小走りで歩き回ったかと思うと、突然洞窟から出て両手を広げた。
まるで「俺は平気だぞ!!」と言っているかのようだ。
貴方「は、はぁっ!?い、いやいやいやもどっ!!戻れ炭治郎!!ポケ〇ンの様に俺の元へ!!
お前は平気かもしれないが俺は怖くて生きてる心地がしないぞ!?」
炭治「ムー!!フガフガ……!!」
貴方「いいやダメだ!禰豆子も炭治郎も俺が背負っていくッ!!」
人間だった頃より少し(?)幼くなった炭治郎に驚きつつも、洞窟の中に戻るように言い聞かせる。
それでもずっと太陽の下で「ムンムン!」と拗ねる炭治郎……。
貴方「ほ、ほんとに大丈夫……なのか……??」
炭治「んー!」
禰豆「……ム〜」
Aの言葉に微笑んで頷く炭治郎に、それを"羨ましい"と密かに思った禰豆子であった。
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もこ(プロフ) - 初コメ失礼しますね!私逆ハー大好物なので嬉しいです!鬼滅の刃のキャラ全員推しなので嬉しいです!更新頑張ってくださいね! (2023年4月14日 21時) (レス) id: 3b02df20c8 (このIDを非表示/違反報告)
アツナ(プロフ) - ひゃくまるさん» 許可もらった!!嬉しいです!!ありがとうございます!頑張ります!!(`・ω・´) (2019年8月25日 10時) (レス) id: 42ca496839 (このIDを非表示/違反報告)
ひゃくまる(プロフ) - ありがとうございます!ぜひぜひ、使って下さい!もうすぐ続編なんですね、楽しみです(* ̄∇ ̄*) (2019年8月25日 9時) (レス) id: 057beedb8c (このIDを非表示/違反報告)
アツナ(プロフ) - 上手すぎて目眩がッ!!ありがとです!(興奮)もうすぐ続編なので、使わせてくださいッ! (2019年8月25日 2時) (レス) id: 42ca496839 (このIDを非表示/違反報告)
ひゃくまる(プロフ) - http://uranai.nosv.org/img/user/data/2/9/d/29de397f5bb1d59cf9a14e1c54b4764a.pngできましたので貼っときます!作者さんイラスト上手いので気に入るかわかりませんが(^-^; (2019年8月24日 18時) (レス) id: 057beedb8c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユキ | 作成日時:2019年8月13日 3時