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夜の炎を使い、過去に帰ろうとした瞬間、肩を強く叩かれた。
「そのリングじゃ過去には帰れないよ。」
「っ？！だ、誰！！」
後ろに振り向くと其処には全身真っ白の狼が立っていて、首には”夜”と書かれた首輪を付けている。
「き、君が喋ったの......?」
恐る恐る聞く俺に、狼はきょとんとした声で一言いった。
狼「そうだよ？」
「え、ななななっ、なんで！？」
狼「まぁその話はいつかするよ、今は時間がない。」
「へ？それはいったい......。」
時間がない？狼の言ってる事が分からない。
確かにこの森は白蘭に築かれそうな場所ではあるけど、それだったら”此処は危ない”って言い方になる筈。
狼「綱吉、過去に帰りたい？」
「！？なんで名前！」
狼「いいから答えて、帰りたい？」
鋭く光る赤い目、怖くて震えそうだけど、この狼なら、きっと──────
「帰りたいっ！」
狼「分かった。
今から君は、違う時空に行ってもらう。」
「違う......時空？」
狼「うん。
君と同じ沢田綱吉がいて、その人がリング戦をする時、君が夜と大空として現れる。
君は違う時空の沢田綱吉と相棒になって、自分の仲間の敵討ちをとるんだ。」
”リング戦”未来に行く前の戦い。
違う時空の俺が、いる。
「うん、分かったよ。」
この際、白蘭がいるならどこでもいい。
仲間を”殺した”あいつを、俺は許さない......。
狼「Arrivederci！」
「うん、さようなら！」
黒い炎に包まれて消えたこの時空の沢田綱吉。
なぜか夜のリングを持つ女。
神の狼でさえ、検討がつかない────
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作者名：アツナ | 作成日時：2017年6月14日 19時
