魔法使いの主役は我々だ！【wrwrd】 (ページ9)

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俺、ことゾムは今でこそ「味方最大の脅威」と呼ばれ、恐れられているが
実のところ俺は軍の中ではオスマンやコネシマよりも後に入ってきた所謂「後輩」だ。

人よりも魔道適性のあった俺は、20歳になった時、強制的に徴兵された。
祖国の為に、なんて微塵もおもっておらず、無表情で、軍学校のお偉い髭を生やした将校の話を聞いていた。
胸を高鳴らせ、ワクワクとした顔で聞いている他の兵士達と比べたらさぞかし目立った事だろう。

「諸君、これは戦争であり、ちんけな愛国心を試すものではない。」

ハキハキとした口調で、あっさりと多くの兵士の幻想を打ち砕く言葉に思わず顔を上げた。

そこには女が立っていた。
凛としていて、心の中まで見透かすような瞳に目を奪われた。
今でこそ呼び捨てにし、雑な扱いをしているが。この頃、彼女は間違いなく俺の憧れの人だった。

青崎Aと名乗り、新兵達に歓迎の言葉を送った彼女に、少しでも近づきたいと思った。

がその幻想は早々に打ち砕かれた。
彼女は同期の中でもずば抜けて優秀だった為だ。
曰く、小隊を１人で殲滅した
曰く、一夜で敵拠点に壊滅的な打撃を与えた
など彼女の経歴は幻想を打ち砕くには充分なものであった。

だが盲目的な俺はその分努力すればいい、と脳筋思考をし、努力した。
元々才能はあったらしく、同期の中では一番強くなった。

そのお陰で俺はAの配属されていた戦線に配置されたのだった。