42 ページ42
緑色の彼を包み込む様に抱き上げると、ずっしりとした重みがかかる。
少し冷えつつあるがそこには確かに温もりが残っている。
呼吸も微かではあるが確かにしている。
「このまま高度上昇は危険…だな」
それならばもう一度すべき…か
口から血が出る。魔力回路も焼き切れ、2度と魔術が使えなくなりかねない。だが私はそうなってでも一緒に居たいのだ。
ぐっと体に力を入れ、「未来の自分の力を一時的に降ろす」
臓腑を抉られるような痛みだ。だがこれも明日の為のものならば大した痛みではない。
「…った…いたぞぉ！」
ほぉ、ここで雑兵と来たか。逃げる為なのだからほおって置いてもいいのだが
「生憎私は今一番敵兵を見たくなくてね！済まないが消し飛ばされてもらおうか」
私はサーベルを取り出し、振る。首と身体が別空間に飛んでゆく。
未来から勝手に借りてきた魔力で無理矢理時空をこじ開け、そして行くべき場所へと時空を繋ぐ。
「っわぁ！Aさん！？それにゾムさんも！？なんで！？何も無い所から出てきたん！？」
エーミールの普段とは違う慌てふためく声、近くでは彼の元生徒も驚愕の声を上げていた。
「…説明はあとでするから…っ早くゾムを…っ」
「いやいやAさんも相当ヤバいやつやん！？」
今すぐ治療室に！！というエーミールの普段では聞かないような大声を聞きながら、ほっと息を吐いた。
「…うお」
大混乱の現場と対照的にへたりと座り込んだ私はそのまま意識を失っていった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 195人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「実況者」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
神右宮月左京(プロフ) - 型月と幼女戦記……！好きなものが入ってると嬉しいですね…。応援してます！ (2018年11月12日 18時) (
レス) id: da85d558a5 (このIDを非表示/違反報告)
黒魔道士 - 幼女戦記を思い出す...(映画化うれすぃ (2018年2月4日 0時) (レス) id: 24d656cc82 (このIDを非表示/違反報告)
星空りゅな - ここのゾムさん可愛すぎですね…！とても面白いです、更新待ってます、更新頑張ってください！ (2017年8月25日 10時) (レス) id: e1f99b34a5 (このIDを非表示/違反報告)
美桜 - 神かっ！面白かったです！夢主ちゃん好きなんじゃ〜。ゾムさん視点可愛すぎた。更新待ってます。頑張って下さい笑 (2017年3月23日 19時) (レス) id: 7a0b0fb690 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：春 | 作者ホームページ：ホムペなどない(無言の腹パン)
作成日時：2016年9月17日 11時
