アイデンティティ4 (ページ44)

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１９２話ページ44

"これよりワープします。ワープ開始まで10秒"

「一気にワープしてすっごい遠くまで行くのか～！なんだかワクワクするね～！！」

「…他の惑星でサッカーか…」

西園の浮かれぶりとは反対に、最前列のキャプテンの隣に座る神童は他の惑星に乗り込んでサッカーで戦うというこれまでの日常とはかけ離れた世界観に緊張の色を隠せない。

「皆さん宇宙酔いには注意した方が良いですよ！」

「酔っちゃうの…？」

「充分有り得ることです！」

真名部は皆に宇宙酔いに気をつけたほうが良いとアドバイスする。その言葉に、乗り物が苦手そうな森村さんが緊張してしまう。

カウントダウンがゼロを刻む。その瞬間、ギャラクシーノーツ号は歪んだ空間に突入し、宇宙空間にその姿を没してゆく。いわゆる亜空間、ワープ空間に突入したのだ。

「っ！！」

ワープ中の衝撃は想像以上に強く、彼らは歯を食いしばってその重圧に抗する。そして数秒の時を経て、ギャラクシーノーツ号はまたも宇宙空間にフェイドアウトする。

"ワープ終了通常空間に復帰しました"

「もうダメ～」

「は…はぁ…は、吐きそ…」

「やめろよ…」

私はどうやら宇宙酔いを舐めていたらしい吐きそうになりながらも必死でその場で耐えていた