アイデンティティ4 (ページ25)

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１７３話ページ25

「影山…零治？」

聞いた事がある、といってもイタリアの少年サッカー代表チームの監督だった…とまでしか聞いたことがないが…

監督の正体が、サッカー界を闇の力で支配しようとした影山零治であるということがここで完全に明らかとなる。ただキャプテンたちはその事実に驚愕する。サッカー界に籍を置く身なら、影山の名は知らないはずはないのだろう。

暗い執務室で頭を抱える豪炎寺の元を訪れた人物。やって来た男、影山こと黒岩は事態を理解していることを述べ、その上で監督を引き受けることを宣言する。監督が開いたドアから差し込む光が豪炎寺には希望の光明に見えたかもしれない

監督はイタリア代表監督を務めていたとき、心臓が停止するほどの重傷を負った。だがその後に蘇生措置が施され、一命を取り留めたという。医師たちの功名心から、認可されてはいない物を使用するというタブーが結果的に黒岩の命を救った。彼はその後10年間、死んだ人間として身を潜めていた……

地球の命運を賭ける戦いを率いることが出来る監督は死の淵を見つめるという経験を持ち、10年もの間雌伏の時を経た黒岩しかいなかった。

「黒岩監督、教えて下さい…！なぜこのメンバーだったのですか！…地球の未来を背負って戦わなければならないチーム…それが何故このメンバー！！」

神童はその経緯を理解した上で、なおこれまでと同じ疑問を監督にぶつける。なぜこのメンバーを日本…いや地球代表に選んだのかという疑問だ。サッカーに関しては素人だった者を8人も選出したという、その真意を問うたのだ。