第68話 おかえり ページ20
手を繋いだまま大広間へ向かう。
襖を開けると全員が自分の定位置に座っていた。
が、主の姿を見ると、短刀を中心に席を立ち上がった。
「主！」
「あるじさん！」
皆、主目掛けて飛び込んでくる。
倒れ込む主と、飛び込んだ奴ら。
当たり前だよなあ！？
「大丈夫かい！？」
「主君、大丈夫ですか！？」
「ごめんなさい！」
「すみません……」
「……っふ。ふふふ」
笑い出す主に俺は罪悪感を覚えた。
俺が受け止めていれば主が壊れることはなかったのに……。
いやまあ冗談だが。
「どうした？」
「いえ、懐かしいなって。あと、幸せだなって」
主が本当に幸せそうに笑うから、もう何も言えない。
短刀達も主を抱きしめる。
そして、皆が自分の席から主に声をかける。
「お帰りをお待ちしておりました。主」
「遅かったなあ。今宵は酒に付き合ってもらうぞ？」
「ぬしさま。毛並みは揃えておきました。ささ、どうぞもふもふなさってください」
「主、また可愛がってよね！」
「どうぞ、ご随意に。主命とあらば、何でもこなしますよ」
「……馴れ合うつもりはない。が、今日くらいは構ってやる」
「隣にいたいってさ。僕も美味しいご飯作るから、たくさん食べてね」
「俺とも呑もうぜ。黒田の話をしてやるよ」
「日本号の話は長か。三日月しゃんとこ行くんが正解ばい」
「籠の中といえど、放っておくと逃げてしまいますよ」
「弟達が寂しがってたんだ。無礼は許してやってくれ。……俺っちも、寂しかったぜ」
「ちょ、待て待て！！ 一人一人言っていたらキリがないだろう！！」
流れを止めると皆が一斉にえーと不満の声を漏らした。
俺だってまだまだ主と話したいことがあるんだよっ！！
「なら、茶を飲みながら話せばいいじゃないか」
「あっ、皆起きたもんね。歌仙くん、朝餉の準備を再開しようか」
「そうだね。主、お腹は空いているかい？」
「ふふっ、実はぺこぺこです」
「もう少し待っててね。今作ってるから。それまで皆とお喋りしててよ」
「後で僕達とも話そう」
「はい」
久々の本丸。やっぱり主がいる方が、皆明るくていい。
皆笑顔で、主にこう言った。
「「おかえり」」
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百翠(プロフ) - みゆさん» わーすみません！！帰宅したら更新と共に訂正したいと思います。ご指摘、応援ありがとうございますー！ (2018年5月3日 8時) (
レス) id: 20166d2150 (このIDを非表示/違反報告)
みゆ(プロフ) - 薬研の骨喰君の呼び方、骨兄じゃなくてばみ兄だったと思います！間違ってたらすいません！これからも頑張ってください！ (2018年5月2日 20時) (レス) id: 51fcd1558b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桃翠 x他1人 | 作成日時：2017年12月8日 0時
