第64話 主 ページ16
九月一日。早朝。
なぜか目が覚めて、廊下をゆらりと歩いていた。
足は玄関へと向かっていた。
理由はない。ただの気まぐれだ。
玄関に飾られた写真を一枚一枚、愛でるように見つめていた。
最後の一枚で、俺は泣きそうになる。
全員写真だ。しかも、主がアンインストールする数日前の。
真ん中で主の方に腕を回している俺は笑っている。
主も同じく、幸せを噛み締めるように笑っていた。
他の皆も、楽しそうだ。
ああ。
「この頃に戻れたら、どんなに幸せなんだろうな」
そう呟いた時、玄関が開かれた。
鍵は毎晩閉めている。
誰か、俺より早く起きた誰かがどこかへ出かけていたのだろうか？
それとも、政府が何らかの理由で押しかけてきたのだろうか。
そう思い、玄関の方へ向く。
その瞬間、俺は自分の目を疑った。
「……あ、るじ？」
そこに立っていたのは、主だった。
この本丸の、俺達の、俺の最愛の、主。
ニセモノでもない。この神気、懐かしい香り。
俺は無意識のうちに近づき、抱きしめていた。
「あるじ……」
優しく抱き締めたあと、少し離れて、震える手を主の頬に添えた。
暖かい、主の体温。そう、この、温もり。
主は俺の手に触れ、笑った。
「ただいま戻りました、鶴丸さん」
「……」
俺はゆっくりと、
その女は不思議そうに、俺を見ていた。
「……誰だお前」
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百翠(プロフ) - みゆさん» わーすみません！！帰宅したら更新と共に訂正したいと思います。ご指摘、応援ありがとうございますー！ (2018年5月3日 8時) (
レス) id: 20166d2150 (このIDを非表示/違反報告)
みゆ(プロフ) - 薬研の骨喰君の呼び方、骨兄じゃなくてばみ兄だったと思います！間違ってたらすいません！これからも頑張ってください！ (2018年5月2日 20時) (レス) id: 51fcd1558b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桃翠 x他1人 | 作成日時：2017年12月8日 0時
