第50話 助太刀 ページ2
乱が全員に逃げろと指示をした所までは確認した。
が、それ以降の出来事を俺が知る由もなかった。
よくわからんが、映らないのだ。
先程からずっと黒色と灰色の砂嵐が画面を占拠している。
「こんのすけの鈴が壊れたのかな」
「くそっ、こんな時にか！」
机を拳で叩く。
俺は急いで自室に戻る。審神者部屋では無く、俺の部屋。
それは何故か？ 羽織と本体を手にするためである。
最近審神者部屋に入り浸っているが、着替えやら私物やらは部屋に置きっぱなしなのだ。
後で移動しなくては……なんて考えている暇はない。
襖を開け、微かに埃を被っている襖から羽織を、刀掛け台から本体を取り、庭まで突っ走る。
途中ぶつかったりしたが、「すまない！」と軽く謝罪して流した。
急がねばならない。
庭に着くと、二振りの刀が立っていた。
「山伏に堀川！ 一体どうしたんだ……」
「皆が帰ってきた時、すぐ手入れ部屋に運べるよう待ってるんだ。」
「短刀殿達は自分より大きな者を運んで疲労が溜まっているはず。そこで、拙僧達が手入れ部屋まで運ぼうと考えたのである」
そう言って、筋肉ムキムキの腕を叩いた。
堀川も山伏程ではないが、かなりの力を持っている。
俺は、彼らが帰ってきたらすぐ乱救出に向かおうとしていたため、有難い。
「それと、鶴丸さん、皆が帰ってきたら乱さんのとこ行きますよね？ 一人じゃ不安だと思ったので、助っ人呼んどきました」
「助っ人？」
「そろそろ来る頃だと思うんですけど……。あ、来た来た」
堀川が俺の後ろの方を見つめる。
振り返ると、空色の髪を揺らしながらこちらに歩いてくる太刀と、面をつけた打刀一振、深い瞳の脇差一振、短刀三振りが見えた。
「……こりゃ、おっかない。正に助
特に先頭の水色頭。
今にも鬼と化してしまいそうだ。
弟のピンチの時の兄ほど怖いものは無い。
俺達の前まで来た薬研が口を開いた。
「俺と骨喰兄は手入れ要員だぜ。一人手入れ部屋に入れねえから、一応応急処置はする」
「俺は兄弟にぽんぽんの舞をお見舞する」
「お、おう。手入れ早く終わりそうだな。
……それじゃあ俺に付いて来てくれるのは、一期一振、鳴狐、厚、五虎退でいいんだな」
俺の問いかけに、一期は静かに頷いた。
その後俺達は一言も喋らず、部隊の帰りを待った。
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百翠(プロフ) - みゆさん» わーすみません！！帰宅したら更新と共に訂正したいと思います。ご指摘、応援ありがとうございますー！ (2018年5月3日 8時) (
レス) id: 20166d2150 (このIDを非表示/違反報告)
みゆ(プロフ) - 薬研の骨喰君の呼び方、骨兄じゃなくてばみ兄だったと思います！間違ってたらすいません！これからも頑張ってください！ (2018年5月2日 20時) (レス) id: 51fcd1558b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桃翠 x他1人 | 作成日時：2017年12月8日 0時
