初恋は実らなくても (ページ2)

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大切な子との別れページ2

デビュー前最後の日、まいジャニを撮影した後にちょっとしたお別れの時間を頂いた。まっすぐこっちに向かってくるだろうと考えていた子は流星の元でずっと喋っている。

正「ずーっと見てるけど、わたちゃんすぐこっち来ると思うで。」

ボソリと隣からそう言われる。

大「別に見てへんし。」
正「そう言いながら見てるやん。わたちゃんに穴空いてまうって。」

うるさい正門を放っておいて目線をずらすと、綿谷は流星と喋ってばかりでこっちなんか気にしてもくれない。俺に懐いてたはずやのに…。パッと目が合うと、そのまま流星が背中をぐいぐいと押して綿谷が俺の前までやってきた。

流「ほら！」
「…大吾くん、本当に、デビューおめでとうございます。」

不満げに斜め下を向きながらそう言われてしまった。そんな嫌なら俺のとこなんて来なければ良かったのに。

大「…ありがとう。」

やばい、俺も不機嫌な顔になってないかな。