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『む、無理です!』


ノートを胸に抱える。

彼は不満そうにえーっと唸って、私の顔を覗き込もうとする。
私は彼に背を向けてそれを阻止した。


『まだ完成してないし…』



「なら完成してからでいいからさ!!

ね?」


私の必死の抵抗も虚しく、彼に肩を掴まれて向かい合わせになる。
彼に見つめられて思わずたじろいだ。

なぜか断ることのできないまっすぐな瞳。


気づけば私は頷いていた。



「マジで?よっしゃー!!」


彼は嬉しそうに笑う。
その度にくしゃっと潰れる目元が無邪気で子供っぽい。

そんなかれは思い出したようにあっとつぶやいた。


「俺もう行かなきゃ」


それから「じゃあね」と去り際に一言。


「明日も来るから!!」


そんな彼に一応頭をさげる。



『…変な人』


つぶやいた声は5時を告げるチャイムにかき消される。


(…ん?待てよ)


明日も来るって言ってたよね?


(…これは1種の脅し?)


明日図書室に行かなかったらバラすぞっていうこと?



それは怖いし、いやなのに。


(…明日も来てくれるんだ)


そう思ってしまう私がいる。



『…今日はもう帰ろ』



荷物を取って図書室を出る。



外は蒸し暑くて汗がじんわりとこみ上げてくるのがわかる。
ほおの汗をぬぐって気がついた。


『私、笑ってる…?』


自然と口角が上がっていた。
慌てて周りに人がいないか確認する。幸い人はいなかった。



ほおを抑えて口角を下げる。



『笑ったのなんて久しぶりだ…』


あの人の笑顔を思い出すと自然と笑顔になる。


それはきっと。



…あのひとが、変だったから。

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Love*(プロフ) - 葵李さん» ありがとうございます!最近あまり更新できていないので、これからドンドン更新できるように頑張ります。 (2018年8月9日 9時) (レス) id: 974225f52b (このIDを非表示/違反報告)
葵李(プロフ) - 更新の通知来てるのみて秒で見に来ました!ほんとにこの作品好きなので応援してます(*^▽^*) (2018年8月9日 0時) (レス) id: aa8b04223b (このIDを非表示/違反報告)
Love*(プロフ) - 白夜さん» 待っていたなんていってくださるなんて…!!驚きです。頑張るので読んでやってください。 (2018年7月21日 15時) (レス) id: 974225f52b (このIDを非表示/違反報告)
白夜 - コメント失礼します。学パロ第2回目待ってました! (2018年7月21日 8時) (レス) id: e0e2c6a007 (このIDを非表示/違反報告)
Love*(プロフ) - ヤギさん» またまた学パロ、悲しい系ですが頑張りますね!私も学ラン着た芝健さんが大好物です。 (2018年7月18日 17時) (レス) id: 974225f52b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Love* | 作成日時:2018年7月17日 21時

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