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寄席終わり、辻さんはよく一緒に来るお店に私を連れてきた。
にぎやかな居酒屋、机に並ぶ大量の美味しいごはん。
ご飯を食べながらお酒を飲んで、ぽつぽつ話していくうちに、どんどん深みにはまってく。
『昨日も、おいしいもんいっぱい食べさせてくれたんです。』
『痩せたやろ、もっと食わなあかんでって。』
『俺が行かんくなっても家掃除しいやって。』
『俺に言われんでもパチ屋ももう行くなよって。』
『なら、』
ちゃんと約束守ってるか、ずっと見守っててよって。
言いたかった言葉はここでも言えない。
辻さんは、時々相槌を打ちながら私の話をずっと聞いててくれて、やっぱり優しい。
その優しさに溶かされて、甘えて、だんだんと脳にブレーキが効かなくなる。
思ってることが全部、全部口からこぼれるのを止められない。
『ずるいですよね、最後までかっこよくて優しくて。』
『振られるんやったら、どんな思い出も台無しになるぐらい酷い振られ方がよかったな、』
『全部忘れたら、また友達みたいに戻れたのに』
『これじゃ、私だけ1歩も前に進まれへん、』
思いを零しながら、今日は泣いてばかりだな なんて他人事のように思ってみたり。
一瞬の沈黙のあと、不意に
「ええんちゃう、それで」
初めて、辻さんが相槌以外の言葉を発して、即座に顔が上がる。
「未練なんて無くそう思って無くせるもんちゃうで。」
『でも、』
「Aは当分前には進まれへん。それは諦めや。気が済むまでこれは引きずれ。」
思いのほか投げやりな言葉に、諦めのような笑みがこぼれた。
『じゃあ私、多分ずっとこのままです。一生。』
そんな私の言葉に、辻さんは声を出して笑った。
「ええんちゃう、仕事にさえ支障なかったら正も許すやろ」
私が1番懸念に思ってることをさらっと刺されて、頭を抱えたくなった私には
「まぁ多分、忘れさせてくれる人がすぐ出てくるんちゃう？」
なんて言葉が聞こえるはずもなく。
うなだれる私をよそに辻さんは、1週間も経てば元気にはなるわ 未練はそのままやけど なんて無責任なことをいいながら枝豆を摘みはじめる。
その日は1人で歩けなくなるくらい酒に飲まれた。
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さ く ら(プロフ) - ぬさん» ありがとうございます！そう言って頂けてとっても嬉しいです(；；)これからもゆっくりにはなってしまうと思いますが見守って頂けると嬉しいです☺︎ (2022年3月13日 3時) (
レス) id: 7b1535b928 (このIDを非表示/違反報告)
ぬ(プロフ) - Dさんの夢小説少なすぎて泣いてたので素晴らしい作品を見つけてしまって感涙にむせびました；； 好きです！！これからも作者様のペースで更新していただけると嬉しいです！！！応援してます！！ (2022年3月10日 19時) (レス) @page28 id: a69c927658 (このIDを非表示/違反報告)
さ く ら(プロフ) - hinaさん» ありがとうございます> <のろのろ更新ですが温かく見守っていただけると嬉しいです！ (2022年2月24日 1時) (レス) id: 1e7d91bc54 (このIDを非表示/違反報告)
hina(プロフ) - 主役2人の交わりそうで交わらない関係がとても切なくて、表現に少し儚さも含まれていて、読んだ瞬間から好きになりましたT_T これからの展開も楽しみです！！作者さんなりのペースで更新頑張ってください！応援してます。。 (2022年2月22日 21時) (レス) @page24 id: 2920c1914f (このIDを非表示/違反報告)
さ く ら(プロフ) - ごまわさびさん» ありがとうございます☺︎お待たせしてしまうとは思いますがぼちぼち頑張らせて頂くのでどうぞよろしくお願いします(՞ . .՞)" (2022年1月24日 9時) (レス) id: 7b1535b928 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さくら | 作成日時：2022年1月22日 17時
