48・過去編 ページ6
「そんなことが…」
僕は暑さも忘れて聞き入った
「今のお母さんは社長室にいたツインテールの人なの、浮気といってしまったら響きが悪いけれどね」
ぽつりぽつりとまた話し始めるAちゃん
「そのあとあの人は刑務所から逃げたらしくて敵と手を組んで私を殺そうとしたわ
そんな私を守って、お父さんは死んだの
故意的に壊された柱、それが
「でもやっぱりあの人は運が悪かったの
ぼろぼろにされたあの人の死体が刑務所前に無造作に置かれてたんですって、裏切られたのね」
はは、と乾いた笑いを口からこぼすAちゃんはまた虚ろな目であった
「一度は敵に回った、そんな人の血が流れてる自分が凄く憎いの。自分を殺したくなる位に
でも、」
「俺ガ止めてンダヨ」
口調が変わったことに驚いてそっちを見ると狼の耳が生えて目が赤いAちゃんがいた
「残念ナガラ俺はAジャナイ、コイツの個性”生存本能“の根元ミテェなモンだ、しいていうなら別人格……イヤ別狼格か？」
うまい事を言ったと言わんばかりにケラケラと笑っている
「説明シテやるヨ。コイツ、Aの前世的なモンが俺、いわば個性持ちの特殊な狼ダ。
俺が死んでカラ俺の意識はゼロだったンダガ、コイツに”死にたがり“とかいう過激な個性がデタコトニより、そのストッパーが必要なタメ俺が起こされたッテわけダ！」
狼？はかっちゃんみたいに自慢気に話していると、突然真剣な顔で僕の方を向き
「でも、正直俺ダケジャストッパーはつとまってナカッタ、お前の”約束“ガあってコイツは正常を保ってル。コレカラモお前にコイツを任せるつもりダカラ頼むゾ」
「……もちろんだよ！」
そう言って次の瞬きをした瞬間にはいつものAちゃんに戻っていた
ある夏の日のもうひとつの約束
…
ピッピッピッピッ
規則的な音が鳴り続ける病室
そこにあるベッドには俺の娘が眠っている
キョウカは爪痕を多く残していった
Aの体には多くの傷跡と背中一面の火傷が残り
幼いながらに一定以上の食事は体が受け付けなくなってしまった
齢四歳で現実の非情さを身をもって知ったのだ
「千晶さんが思い詰めてもしょうがないですよ」
「…いたのか」
考えこんでいたせいか消太が入って来たのにも気づかなかった
「助けだせただけでよかったんですよ」
「…消太」
「なんですか」
「俺が死んだらAを頼む」
消太は静かに頷いた
ラッキーアイテム
革ベルト
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした！
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fur(プロフ) - 紅葉さん» 意図してました！見た目オールバックの想像だったんでこの名前がええやろ！と思い名前お借りしてます！コメントありがとうございます！ (2018年5月28日 8時) (
レス) id: 0a0c33e614 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - ってあれ？やっぱ意図してましたかこれ笑笑！コメント２回目ですすみません！ (2018年5月27日 23時) (レス) id: 7ac5223945 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - 夢主ちゃんのお父さんの名前が『千晶直巳』てびっくりしました！意図してましたか？なんて！私の好きなキャラの名前なんです！！漢字までドンピシャ笑笑！！この作品、大好きです！狼くんが特に好き(｀・ω・´)！応援してます！ (2018年5月27日 23時) (レス) id: 7ac5223945 (このIDを非表示/違反報告)
fur(プロフ) - 花さん» わかりました！ハゲないように気をつけます！続編でもよろしくお願いしますね！ (2017年11月5日 11時) (レス) id: 3fbc8eae31 (このIDを非表示/違反報告)
花 - お返事ありがとうございます！そろそろ続編に行きそうですね！楽しみにしています！あと、ストレスが溜まるとハゲちゃうかも知れないので気を付けて下さい！ (2017年11月4日 21時) (レス) id: caf3a54302 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：fur | 作成日時：2017年6月24日 22時
