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あれ以来、行ってらっしゃいのハグが日課になったのは言うまでもない。
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「A!A〜!!」
Hug me!と両手を広げて玄関で待機する雇い主、もといアメリカさん。
捨てられた子犬みたいな顔で見られたのが耐えられず結局日課になってしまったハグ。
私、甘くない?甘いと思う。自分でもどうかと思うけど、どうも甘やかしてしまう。
「今日は大事な会議なんですよね?」
確か今日は各国が集まって大事な話し合いをする日だと言っていたはず。
「忘れ物ありませんか?」
「もー心配性だな君は。大丈夫大丈夫、今朝ちゃんと準備したからね!」
うわ不安。
慌ただしく飛び出して行ったアメリカさん、お迎えの車に乗り込んでお仕事へ向かって行った。
そしてお昼前。
トニーにお昼何がいいか聞いてみようかな、と休憩中考えていると滅多にならない電話が鳴った。
持っていたカップを置いて、広い家を駆けていくと電話のそばにはトニーが来ていた。
私が出るね、と一言かけて受話器を取ると大声が聞こえてくる。とてもうるさい。
「A!出るの遅いんだぞ!!」
心配した!となぜかめちゃくちゃ怒られる私。いや、この家広いんですもん…。
受話器を耳から離したままため息をつく。
「心配しなくても大丈夫ですよ。それからあまり大声出さなくても聞こえています。」
「だって…」
「電話までの距離があっただけですよ。ね、トニー?」
少し大きな声で返事をしたトニー。そんなトニーが言うならと納得してくれたアメリカさんにホッとして、気を取り直す。
「それで、どうしたんですか電話なんて…」
「それはだね、えーっと……午後の会議に使う資料を部屋に忘れちゃって…」
「…はい。それで?」
「と、届けてほしいんだぞ!」
送迎とか色々手配するから!と、黙り込む私に提案してくるのを聞いて、思わず何度目かのため息をついた。
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櫻闇 - ほのぼのしてて好きです。愛しています。あと、メリカが可愛い過ぎて辛いです。続き待っています。 (2021年4月3日 0時) (レス) id: b29450610e (このIDを非表示/違反報告)
めんめんくじら - 現実にアメリカが居たら私もなりたいものです。現実逃避 (2021年3月8日 4時) (レス) id: 50e2765398 (このIDを非表示/違反報告)
A-tisハルナ - メリカ推しなんですか?私は眉毛推しです…味音痴(( (2021年2月26日 16時) (レス) id: 0f50a1ef1e (このIDを非表示/違反報告)
かさ(プロフ) - A-tisハルナさん» ありがとうございます!執筆の方頑張らせていただきます…! (2021年2月26日 8時) (レス) id: 99af105a43 (このIDを非表示/違反報告)
A-tisハルナ - 癒されました〜!私も初心者です!執筆、頑張ってください! (2021年2月25日 22時) (レス) id: 0f50a1ef1e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かさ | 作成日時:2021年2月25日 1時