君は嘘ばかり (ページ13)

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夏のせいだページ13

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「 …も、もしもし…？」

「あ、Aちゃん、急にごめんね(笑) 」

「いや、大丈夫です」

チラッと真波をみるとなんだかニヤニヤして

ごゆっくり～と口パクで言って部屋を開けてくれた

「あ、あのさ」

「はい」

少しの沈黙

なんか、怖い

胸がドキドキしてるのはなんでだろう

「夏休みだし、どこか行かない？」

「え、」

「あ、いやいやっ、嫌ならいいんだけど！

映画とかカラオケとか？海とかでもいいし！

ダメ……かな？」

可愛い目で上目遣いする岸先輩がみえる

……絶対、可愛すぎるじゃん

「 …です」

「え？」

「う、嬉しい、です」

「 …俺も」

顔が一瞬でボワっと熱くなった

電話だからか、先輩の声が少し低く聴こえる

それがまた、胸の鼓動を煽る

「って、なんかめちゃ恥ずかしいね(笑) 」

「そうですね」

なんで私を誘ったんですか？

気になる人いるって、誰ですか？

その人とは、どこか一緒に行ったんですか？

気になることはいっぱいあるのに

何一つ言葉が出てこない

「 Aちゃん、どこ行きたい？」

「映画…行きたいです」

「いいね！じゃ、また日にちと時間送っとく

何みるか決めといて！」

「あ、ありがとうございます！」

「うん、じゃあね」

まだ、顔の熱さが引かない

きっとこれは

夏のせいだ

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