君の隣で(やまちね編) (ページ19)

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ymside

本番前日
予行の後遅くまで練習して話し合いして、校舎を出たら知念が座ってた

「遅い～！りょーすけなんか食べにいこ」

「えっ⁉今から？」

「嫌なの？」

「いや......行きます」

あんまり遅くなるなよーって言われて光先輩やバンドのメンバーと別れる

ファミレスに向かって歩いてたら知念の手と俺の手が当たってその冷たさにビックリする

「手めっちゃ冷たいじゃん！何時間待ったの⁉」

止まって両手を包み込むと

パッと離れて前を歩き出す知念

「大袈裟だな～そんな何時間も待ってないよ
クラスの準備手伝ってたの。
まぁほとんどみんながやってくれたけど♪」

こいつ...クラスのやつまで

ここまでくるとなんかもう凄いな

なんて感心しながら前を歩く知念を追って冷たくなった右手を握って自分のコートのポケットに一緒に入れて歩く

「なにこれ？」

ちょっと不満そうな知念

「一応付き合ってんだからいいだろ」

って言うと

「ちゃら...」

って返ってくる

んだと～！って怒ると
ははって笑う知念
その笑顔を見てるとなんか調子狂うんだよな～

ファミレスについて注文してドリンクバーの暖かい飲み物を取りにいく

「来月はこうはいかないからな！今月ほとんどバイト入れなかったし...」

「え～そこはなんとかしてよ」

「できるか‼」

相変わらず何かしら奢らされる毎日
こいつお小遣いとかもらってないのか...

頼んだ料理が運ばれてきてもくもくと食べる

いよいよ明日が本番
なんか緊張するな

「明日大丈夫なの？」

「まぁなんとか...間に合ったかな」

「ちゃんと僕見て歌ってよ」

「はいはい。

でも歌う事がこんなに気持ちいいと思わなかった！
出なかった音が出るようになったり、楽器の音とバシッと合ったら本当にヤバイよ‼」

ちょっと興奮気味に話してるのにメニューを真剣に見てる知念

「おい！笑
人の話聞けよ‼」

「聞いてるよ～。デザートも美味しそうだね♪」

「...........」

「ねっ」

「聞こえてるから！頼んでいいから！」

知念といたらいつもこんな感じ...
自分のペースを乱される
おれもけっこうマイペースな方なんだけどな

「明日はずっとバンドの方にいるの？」

「いや、朝合わせたらもう楽器もスタンバイして練習できないから本番までは自由だよ
一緒に回るだろ？」

「どうしよっかな～」

「おいっ！」

今日も最後まで知念のペースで1日が終わっていった。