君と歩く未来

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「手出して」






いのちゃんの手をとると氷みたいに冷たい


何時間ここで泣いてたんだろう







左手の薬指に指輪をはめる




「ほらっ....ここが1番似合ってる」


　
テーブルにぽつんと置き去りにされてたから...


　


「もう外しちゃダメだよ」

　


「うん...グスッ...」




これはもう俺たちの一部でしょ？




　




「過去は奪えないって言ってたけどさ


これからの俺の未来は

全部いのちゃんのだよ」





「大ちゃん...」



　





「だから...いのちゃんの未来も全部俺にちょうだい」






　






プロポーズされた時



俺がどれだけ嬉しかったかわかる？




君と出逢って




真っ暗だった俺の未来は

　

明るく照らされたんだ

　









「うん！！」







　









冷えた体を温めるために


すぐにお風呂にお湯溜めて一緒に入った

湯船に浸かりながらいろんな話をして

上がってからめんどくさがりな君の髪を乾かす




「もういいって〜」


「乾かしとかないとパッサパサになるから！」


「暑い〜」


「ハゲるぞ」


「.......」
　


うるさいから1番効く言葉を言ってやった笑

　




「ハゲても好きでいてくれる？」



「う〜ん...無理かな」



「えぇ！」



「嘘だよ笑

どう変わってもいのちゃんはいのちゃんでしょ


いのちゃんこそ

俺が太っても好きでいてよ」



　

「いや〜それはどうかな」



「おい！笑」


　


笑い声が重なる

いのちゃんと一緒に暮らし出して

目尻にシワが増えちゃったよ


　




2人で肩を並べてベッドに入る



「目腫れてる？」


「うん。ちょっとブサイク」


「ブサイク言うな笑」
　


「ふふっおやすみ〜」
　



「おやすみ。」


　




泣きすぎて腫れちゃった瞼にキスしたら






君の温もりに包み込まれた

　









　









　









山田、俺今すごく幸せだよ




おまえと出逢ってなかったら


きっと今の俺はいないと思う


こんなに誰かに優しくできるようになったのは


君と過ごしたあの日々があったから


ありがとうなんて言わないけど




あのキラキラした4年間はずっとずっと忘れないよ









　





　









"
「大ちゃん.....今までありがとう。

幸せになってね」

　


「山田もね。


.....夢が叶うように頑張れ！」“




　




　







　






あの頃の記憶をそっと心の奥にしまって





静かに目を閉じた





　



end

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