鈍感な君を好きになった話2(inar)

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結局あんまり眠れなかった



大ちゃんの悲しそうな顔ばっかり浮かんできて...








何時ぐらいに来るんだろ




そわそわして落ち着かない






普段はしない掃除とかしてたら薮から今から出るってラインがきた



待ってたら




　

ピンポーン




　

来た！






モニターを見ると見慣れない服を着た大ちゃん









「大ちゃん...すぐ開けるね」









鍵を開けてドアを開くと






下を向いて緊張した様子で立ってた




　



「ほら、入りなよ」






中に入るように勧めるけど





「あ.....ちょっと昨日の片付けしに学校行かなきゃいけなくて....荷物だけ...」




　

....そんなこと昨日は一言も言ってなかったのに

　





大ちゃんの荷物と上着を持ってきて渡すと


ありがとって言いながらも俺の顔は見てくれない


　



「これ、ありがとう」






そう言って渡された紙袋の中には


昨日貸した俺のスウェットが入ってた

　





“「ぶかぶかなんだけど...」





「かーわい♪」





「も〜！そっちと替えて」”





　




.....。
　



　




「それ、薮の服？」





「うん....足長すぎてめっちゃ折ったよ。ははっ」









全然笑えない



なんにも面白くない



　



薮の服を嬉しそうに着てる大ちゃんに


なんだか無性に腹が立つ









「昨日はごめん

あの.....気にしなくていいから

今まで通り普通にしてほしい...」








「......わかった」





　



今まで通りって？


今まで通りにしたらまた傷つけるんじゃないの？


おれのせいでこんなことになったんでしょ？









「....じゃあ薮くん待ってるからもう行くね」











え、まだ話...


　







「あ、大ちゃん....」









「ん？」





　



　





「いや.......なんでもない」




　









「じゃあ、」





　





バタン

　




　



　





なんだよあれ...





自分だけすっきりした顔して









何がいけなかったの？



どっから間違った？




　







昨日は



大ちゃんが眠そうにしてたから泊めてあげて


眠くなくなったって言うからゲームして


キスの練習したいって言うからして


そしたら急に告られて...



家出てって


心配してたら薮んち行ってて






薮の服着て...




　








「はぁーもう知らね.....」








考えるのも嫌になって



二階に上がってベッドに倒れ込んだ

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