鈍感な君を好きになった話2(inar)

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arside








“ほらっこれ着なよ”





”どこわかんないの？ん？”






"大ちゃんが嫌な思いするのは嫌なの“









いつもいつも俺のことを気にかけてくれたいのちゃん
　

自分のことより俺の心配ばっかりして


俺に甘くて...









　









「これ、発見した時に彼が握っていました」


　


それは見覚えのある黒い帽子





救急病院の長椅子に座ってたらレスキュー隊の人が渡してくれた
　



「これ.....俺の......ッ...」

　


「大ちゃん...」






　




あの時帽子を落とさなかったら...


　

いのちゃんと一緒に滑って降りてたら...





いや、俺が一緒に滑ろうなんて言わなかったら...






そもそもスノボに誘わなければ...





　






　



好きって




言わなければ...







　







「俺のせいで....

俺のせいでいのちゃんが.....グスッ」




　



　



後悔してもしてもし足りない






床に崩れ落ちると





薮くんがそっと支えてくれた






　






「それを言うなら俺のせいでもあるよ」
　




「え...」





「伊野尾ってさ、ふざける時は全力でふざけるけど

根は真面目だしいつも冷静で、周りもよく見えてる。あいつがくれたアドバイスとかすごく参考になるし、的を得てるんだよね。」




「うん..」




　


「それが大ちゃんのことになると全然周りが見えなくなる笑」




「え？そうかな？」





「そうだよ。

みんなが見てても関係なくくっついていくし

怒って普段絶対言わないようなことも言っちゃうし...


感情がコントロールできなくなるんだろうな」



　



そう言われると思い当たる節が....






「それを知ってたのにあいつを止められなかった。

大ちゃんの事が心配で冷静さを失ってたあいつを...



だから...おれのせいだよ」






「そんなことない！俺が「大ちゃん！」





「それ言い出したらキリがないから...

だからそんなことより

あいつが早く目覚ますように祈ろ」

　



　

そう言って肩をポンと叩いて椅子に座らせてくれた







薮くん....







「わかった。ごめん...ありがとう」









見上げた先の手術中の明かりはまだ消えない
　


今はただいのちゃんが回復することだけを考えて







　





もう一生友達のままでいいから




彼女作っても未来で誰かと結婚してもいいから


　




いのちゃんが元気でいてくれたら


　





それだけでいいから.....

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