鈍感な君を好きになった話2(inar)

68 ページ18

inside






「もうちょっと早く言ってくれたらもっと女の子呼べたのに〜」



「ごめん急に...」



「いや、来てくれて嬉しいよ」









言われたカラオケに行くと男女8人が入り乱れて座ってる

部屋に入った瞬間に女子の黄色い悲鳴が響き渡った





「伊野尾くん本当に来てくれたんだ！」


「雄也くんすごーい」




若干入りにくい雰囲気だったけど、ヘタレと思われたくないから堂々と入ってやった


男は1年の時同じだったやつと、知らない顔もいたけど、高木の友達だからかみんな見た目チャラいのにいいやつばっかりだった

　





「伊野尾くん何飲む〜？」




隣の女の子が聞いてくれてコーラを頼む

てかめっちゃ密着してくんな...


　

「雑誌見たよ〜あれって私服？」


「ん〜私服の時もあるけど...
最近は決まってるやつが多いかな」


「そうなんだ〜！生でもちょーかっこいいね♡」


「どうも〜」




他の奴が歌ってんのそっちのけでグイグイくる


カラオケってみんなで歌って盛り上がるとこじゃねーの？


しばらくそんな感じで話したり歌ったりしてたけど慣れない雰囲気に息が詰まってトイレに立った




　


「はぁ〜〜..」



疲れた...


まだ1時間しか経ってねーのか




時計をみて大きなため息が漏れる


思えばこういう集まりって初めてかも


イベントの打ち上げとかは女子もいるけど

みんな顔見知りだしほとんど大ちゃんと一緒にいたしな〜


高校生ってこうやって遊ぶのか


　





　
　
大ちゃんだって付き合ってんだから

　
俺も彼女作っていいんだ...




　




ズキン








一瞬胸がキュッと苦しくなる



せっかく誰にも気にせず彼女作れるのに..


童貞だって卒業できるかもしれないのに..

　



何がこんなに引っかかってんだろ






絶対薮のせいだ


薮が大ちゃんを誑かすから



大ちゃんも大ちゃんだよ！あんなやつにホイホイ騙されて



俺と似ても似つかねーのに...


　
　





男と簡単にヤってんじゃねーよ！！
　




　




「...くん、伊野尾くん？」







「ふぁ？」





「も〜いつまでトイレにいるの笑」



「あ〜ごめん。流れなくてさ〜」



「あはは！どんだけデカイんだよ！笑」




個室から出ると高木が爆笑してる

こいつ笑いの沸点低いからな〜





「冗談言ってないで戻るよ」


「え〜俺もう帰ろっかな...」





「何言ってんの笑

楽しいイベント始まったよ〜♪」











「イベント？」

69→←67

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す