85 ページ36
ymside
そっと机に指で触れてみる
いのおちゃん...毎日ここで授業受けてるんだ...
席に着いて顔を伏せると、いのおちゃんがここで授業を受けてたり、友達と話してたり、窓の外を見てあくびしたりする姿が浮かんでくる
気まぐれな猫みたいな君の姿が....
「やーまだっ」
ビックリして見上げると後ろからひょこっと顔を出すいのおちゃん。
ずっと見たかった...俺の大好きな顔
「なーにしてんだよ。俺の席に座っちゃって」
視界がぼやける
「やっと来てくれた」
そう言って俺の前に座る君
我慢してた涙がすっと流れた
「なにやってんだよ...なんで...」
「あんなメール嘘でしょ...
やまだわかりやすすぎ」
「嘘って分かっても察しろよ‼俺が辛いのわかるでしょ⁉」
「嫌だよ...やまだが泣くとこがないじゃん」
はっ？この人何言ってんの⁉
「失恋した人の前で失恋したって泣くバカがどこにいんだよ‼」
「バカになればいいじゃん」
「何言ってんの...」
意味わかんね
「じゃあこのまま何事もなかったように過ごすの？俺のこと避けて
この1ヶ月も全部...なかったことにするの？」
だって、だってそうしないと...
次の瞬間身体が包まれるように抱きしめられるいのおちゃんの匂いでいっぱいになる
「他に言う奴いないだろ
圭人も帰っちゃったし。
やまだ友達いないんだから...
俺の前で泣けばいいんだよ！
俺が全部受け止めるから‼
やまだが俺にしてくれたように」
何言ってんだよムチャクチャすぎるよ！
いのおちゃんの時とは話が違うし！
こんなとこ普通見られたくないから‼
そう思うのにそれは言葉にならなくて、
気づいたらいのおちゃんの背中に手を回して泣いてた
「本当は..うぅっ...別れたくなんかないよ！
好きで好きでしょうがないんだ‼」
「うん」
「俺が笑顔にさせたかった！」
「うん」
「もっといっぱいいのおちゃんと一緒にいたかった！」
「うん」
それから俺は心の奥に閉じ込めてた想いを泣きながら全部ぶつけた。
好きな人の前でわんわん泣いて...
無様な姿を晒した
いのおちゃんは俺を抱きしめたままうんうんって優しく聞いてくれた
「それから...グスッ...」
「それから？」
「好きにさせられなくてごめん...」
「........」
「俺ね、いのおちゃんの笑顔が好きなんだ。
1番はね....
有岡先輩と笑ってる顔」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 166人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「やまいの」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みー
| 作成日時：2017年3月24日 15時
