君の隣で第2章 (ページ35)

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ymside

2学期が始まって2週間が経とうとしていた
あれからいのおちゃんは俺のクラスに来ることもなかった。
着信もなくてLIN◯もそのままになってる
きっと大ちゃんとうまくいったんだな。

幸せそうに笑ういのおちゃんが浮かんできて、嬉しいけど切なくなる

バイトでも会いたくないから、それらしい理由を言って辞めることにしたけど、次の人が見つかるまでいてほしいって言われて、いのおちゃんと被らない曜日や時間に希望を出して奇跡的に被ってない。

このまま顔見なかったらこの想いも忘れられるかな...
油断したらあふれてきそうな想いや思い出たちを心の奥に閉じ込める作業を繰り返す。
考えなければいいだけだ。

今日はサッカー部の顧問に呼ばれて遅くまで話してた。
何回も入ってほしいって言われてるけど、練習もずっとしてないし、みんなと同じように動ける自信もなかった。

空で一番星が光ってる。
ちょっと前まで明るかったこの時間も少しずつ日が短くなってきていることが分かる。
自転車を押しながら歩いているといろんなことが頭をかけめぐる

「山田！」

呼ばれて振り返ると部活帰りの大ちゃんが走ってきた。

「今帰り?」

「うん。ちょっと先生と話してて」

大ちゃんとも久しぶりでなんかちょっと気まずい...

「そうなんだ！いのちゃん今日委員会だからまだいると思うよ。遅くなったんなら一緒に帰ったら？」

なにそれ....

「有岡先輩が待ってたらいいんじゃないですか？」

「........お前怒ってるにしてもしつこいぞ！話ぐらい聞いてやれよ～いのちゃん困ってたし...
そんなことしてたら俺が奪いに行くぞ！」

えっ......

「有岡先輩...いのおちゃんと付き合ってないの？」

「はっ⁉付き合ってんのはお前だろ‼わっけわかんね～」

なんで...

「あっ！おい‼」

大ちゃんの言葉を背中に聞きながら元来た道を戻って校舎の中に入る。

2年の校舎はもう誰もいない。

薄暗い廊下を歩いて4組の教室に入ると窓際の席にいのおちゃんの鞄がかけてある机があった。