君の隣で第2章 (ページ1)

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夏休みに入っても特にする事もなく、バイトと宿題をする毎日。
これじゃ1週間ぐらいで宿題終わりそう...
俺めちゃくちゃ優秀じゃね⁉笑

去年の夏はバイト以外はほとんど大ちゃんと一緒にいたなぁ...暇があれば連絡してお互いの家を行ったり来たり
中学の友達とみんなで海行ったり、ロッジ借りてキャンプしたり...
考えてみたら中学も高校も友達は大ちゃんとほぼ共通だし

俺の人生ほとんど大ちゃんで出来てるじゃん...どーなってんだ...

夏休みに入って友達から誘われたり、グループLIN◯が来たけど、なんとなく乗り気じゃなくて全部やんわり断った。
遊びたい気持ちもあるけど、結局みんなから大ちゃんの情報入ってくるだろうしね...
もう考えたくないや...

今日は今ハマってる作家さんの新作の発売日。
別に当日に買わなくてもいいんだけど、する事もなかった俺はノロノロと家を出た。

エレベーターを待っていると後ろから元気な声が聞こえてきた。

「いのちゃん！おはよう～」

「あっ大ちゃんおはよ。部活？遅くない？」

「今日顧問用事で遅れるみたいだから大丈夫♪
いのちゃんは？お買い物？」

いやいやダメでしょ笑と思いながら同じ方向なので途中まで一緒に行くことにした

「いのちゃん夏休み忙しいの？中学の奴らとの集まり全部無理な感じじゃなかった？」

「あ～うん。バイトけっこう入れちゃって...じぃちゃんちにも行くし、その他諸々...」

その他は山田との予定ね...
でも付き合ってるって言う割にはあいつからあんまり誘ってこねーし！

「そうなんだ～。ねぇどっかで宿題一緒にしようよ！」

「あ～またシフト見とくわ！」

そんな話をして大ちゃんと別れる

たぶんこのまま連絡しないな...
大ちゃんもきっと忘れちゃうんだろうな...
今年の夏は彼女と楽しく過ごすのかな

去年の夏に戻りたいな

そんな事が頭をよぎって本屋についても俺は目当ての本の前で立ち竦んでいた。