鈍感な君を好きになった話(inar)

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一緒に残って練習して着替えて


そんなに大した話はしてなかったと思う



急に黙り込んだ君の顔を覗き込むと











っ！？







「大ちゃん！？」







ポロンポロンと漫画みたいに大粒の涙を流してる大ちゃん






ええっ！！


どうした！？






びっくりして問い詰めるけどなんでもないの一点張りで....



最後は手を振り払われて走って帰ってしまった










えっ.....俺今何した....










大ちゃんがあんなに泣くの初めて見た



いつだって明るくて太陽みたいに温かく笑って


すごく可愛くて...


弟がいたらきっとこんな感じなのかなって






ケンカなんてしたことないし





俺、何か大ちゃんの気に触るようなこと言っちゃったのかな...



























「....くん.....慧くん？」





「......ふぇっ？」





「どうしたの？さっきからぼーっとして」






我にかえると心配してくれてる彼女




レッスンが終わって
彼女も今日は塾が終わる時間が同じぐらいだったから駅で待ち合わせた








「ううん。なんでもないよ」









って言いながらも頭の中はあの日から大ちゃんのことでいっぱい




なんで泣いたんだろう


なんで俺のこと避けるんだろう




なんで....


なんで....
















気付いたらいつの間にか彼女の家の前で









「あっ、じゃあまた明日...学校で」





「うん......あの、慧くん...」





「ん？」







俺の制服の裾をちょこっと持つ彼女







「送ってくれて....ありがとう」




「うん。......」









なぜか裾を持ったままじーっと見つめられて










え？？俺の顔何かついてる？






不思議に思いながらも俺も見つめてたら...









彼女がゆっくり目を閉じた











っ！！！！










これは....




もしかして.....









キス待ち！？








ドキ ドキ ドキ ドキ ドキ ドキ







思いがけない急な展開に心臓の音がうるさい








え、でもここ家の前だけど...いいのか！？






周囲を見渡して誰もいないか確認する










ファ、ファーストキス....












ゴクッ


緊張しながらゆっくり顔を近づけていく









ドキ ドキ ドキ ドキ ドキ ドキ ド....




















“彼女とはどう？




もう.....





チューとかした？”






















「あっ...」








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