鈍感な君を好きになった話(inar)

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arside








「大ちゃん！映研部入ったって本当！？」





「え....うん。」






放課後血相を変えて俺のクラスに来たいのちゃん
残ってた女子が遠巻きでざわついてる







「薮になに言われたの！？」






「......部員少ないから入ってくれって」






「それだけ？」





「うん」






本当はいのちゃんが俺のこと話してるって聞いて嬉しくなっちゃったのもあるけど...









「まぁ映画は好きだし大丈夫だって」




「は〜....ちょっと来て！」











いのちゃんに手を引かれて使われてない教室に入る

こんなシチュエーション今までなかったから心臓がすごい音立ててる



同じ学校万歳！！！！










なんて浮かれてる俺を他所に険しい顔つきのいのちゃん






「あのね〜大ちゃん。
映研部って何するか分かってんの？」




「えっ......映画を見る部活？」





「違うよ！映画を撮るの！」




「え！撮る方？？」




「そうだよ〜。
なんか変わり者の集まりみたいな部だよ！
まぁ賞取ったりしてるみたいだけど...

薮はああいう性格だからのらりくらりやってるけど
去年もいろいろあったみたいで入った奴けっこう辞めてるし」





「えっ...そうなの！？」







そんな話聞いてない...





「1年なんてこき使われまくりだよ！大ちゃんが泣いてるとこなんて見たくない！今すぐ辞めよ！！」






「でも...もう入るって言っちゃったし」




「取り消してもらお！」





「え〜....」










入るって言った時の薮先輩の嬉しそうな顔が蘇る
あの時はそんなに俺が入るの喜んでくれるんだって思ったけど...









“良い子な大ちゃんを見込んで...”








本当は入ってくれたら誰でも良かったのかもしれない















それでも













「辞めない」





「え？」







「男に二言はねぇ！」






「いや、全然カッコよくないから！

変なとこで意地張らないの！」








いのちゃんが必死に説得してくれるけど

これで辞めたらなんかカッコ悪いもん！







一度やるって決めたから何が何でもやってやる















「も〜！大ちゃん....」









その後もいのちゃんの説得は続いたけど



俺の決意が揺らぐことはなかった

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