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ymside



明日のバイトの事でいのおちゃんにLIN◯したんだけど、一向に返ってくる気配がない...
無理なら違う人にお願いしないといけないし...

え〜い、電話しちゃえ♪


通話ボタンを押して呼び出し音を聞いてると
プチっと出た音がした



「あっいのおちゃん?」


「...............」


「もしも〜し」


「..............」


「んっ?」


あれっ俺間違えた⁇
確認しようとスマホを耳から話そうとしたら微かな声が聞こえた






「.....や....まだ........も.....ツライ....」





「っ‼
いのおちゃん⁉⁉
どうしたの⁉大丈夫⁉」


泣いてる
何があったんだろ



「すぐ行くから‼‼」




俺は携帯を握りしめて、いのおちゃんに聞いた場所に向かった









「いのおちゃ〜ん....


いた‼」




着いてみると体操座りで顔をふせているいのおちゃん。
周りは真っ暗で学校から3駅目の裏の駐輪場の横の茂み...
も!こんなところに1人でいたら襲われちゃうよ‼




「いのおちゃん....どうしたの?」




側に寄って優しく声をかける
頭を撫でると真っ赤な目をしたいのおちゃんが顔を上げた。






「やまだぁ...おれ...もう無理だ.....」




そう言って俺に抱きつく
うっうって泣くいのおちゃん



ずっと頑張ってたもんね...辛かったよね...
俺が抱きしめてそう言うとまた泣き出した。
いのおちゃんってこんなに弱い人だったんだ。

いつもなんでもないように笑って俺の前を歩く大きな背中は想像できないくらい小さいく小さくなってた。
そんないのおちゃんの泣き顔を見て、胸が張り裂けそうに痛む









「いのおちゃん...もう俺にしなよ」






この人を笑顔にしたい‼

そんな強い想いから本当は言うつもりのなかった事が俺の口から自然と出てきた。



「ずっと好きだったよ...
今言うのはズルいかもしれないけど、
こんないのおちゃん見てられないよ!
俺が側にいていのおちゃんを笑顔にするから...
だから俺を利用して...
俺を好きになって」





涙目で見上げるいのおちゃんの目をまっすぐ見て伝える





「うんって言って!」


いのおちゃんの瞳が揺れる






「うんって言えって‼」





呆然と一点を見つめるいのおちゃがコクンと頷いた。


その瞳には何も写ってなかった....



それでいいよ...今は何も考えないで...
君が壊れなかったらそれでいいんだ



夜の闇の中を月の柔らかい光がそっと俺たちを照らしていた

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作者名:みー | 作成日時:2017年3月6日 20時

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