夜の海 (ページ23)

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宏光:甘いの苦手だけどページ23

｢どうすっかな～これ｣

イケメンくんこと藤ヶ谷さんから貰ったお金でコンビニケーキを千賀と食べる

藤ヶ谷さんは俺が高級店でケーキを買うと勘違いしてんのか？

それとも感覚がおかしいのか？

ケーキ代の倍の倍のお金を渡してきた

金持ちは怖いわ

小遣いも含めてなら分かるけどそれ以上の大金だぞ

｢それ使っちゃえばいいじゃん｣

千賀は当たり前のように言ってるけどさすがにそれは...な

｢いや、やっぱ返した方がいいよな…っ甘っ｣

金を見ながらケーキを口の中に入れる

ごく普通のショートケーキだけどやっぱり甘ったるい

すぐ乗っていたいちごを食べたから余計いちごが酸っぱく感じた

｢もういいや｣

｢え～せっかく買ったのに～｣

と言いってるくせに俺の分も食べる勢いでフォーク動いてんぞ

千賀に呆れながらも金のことを考えた

返さない方がプライドを傷つけないだろうけど
やっぱり金は自分で稼ぎたいということで
返すことにした

次の日
どうせ今日も藤ヶ谷さんは来るだろうと金をにぎりしめ早めに出勤

｢みつ｣

ほら、控え室で待っていたらいつもの
横尾さんの呼び出し

この扉を開いたらいるんだろ？

｢失礼します｣

え

｢やぁ、はじめましてひろくん｣

そこに居たのは目鼻立ちのしっかりした藤ヶ谷さん
ではなかった