33話 ページ36
沢山の本が並んでいた。
ひょいと手に取り読んでみる
やはり黴の匂いがした。
だけどなんとか読める。手書きの文字……日記だろうか。
✤✤✤
〇月〇日
今日は家族みんなでお茶をしました。
メイドさんがクッキーと紅茶を作ってくれた。
とても美味しかった
お母さんは毛糸で襟巻を、お父さんは新聞を、お姉ちゃんは丸い眼鏡をかけて本を読んでいた。
まだ赤ちゃんの弟はすぴすぴと寝ていてとても可愛らしかった。
この暖かい家がいつまでも続きますように
✤✤✤
最後の一枚を読み終わり、パタンと閉じる。
この日記、まだ書ける。あと何頁もあるのにそこで終わっている。
鬼の仕業だよね
他人の幸せを平然と奪うなんて許さない
私が鬼を滅ぼす、必ず
そんな事はただの綺麗事。
私が守れなかった人だってそうなのに、我儘が過ぎるよね
「お前は悪くねぇよ!」
師範の言葉を思い出す。
ううん、私が悪いの
昔、こんな事を言われたっけ
「お前が居なかったらもっと死んでた。だから誇らしく思えよ」
頭をぽんぽん撫でられた気がしたんだ。
師範の言葉かな?分からない。でもありがとう
あなたのおかげで決心がついたよ
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作者名:ジャイアント雌ゴリラ | 作者ホームページ:http
作成日時:2020年5月23日 21時