YOU (ページ9)

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0章ページ9

「この部屋階段と扉ばっかりでつまらないね」

握られた手は変わらず離されていない。
むしろ離さないと言っているかのようにどんどん力は強くなってきている気がする。

『ねぇ、』

「なぁに」

『この先に何かいると思うの』

「どうしてそう思うの？」

『 … 勘』

「魔女の勘は100当たるらしいしこの扉開けてみよっか」

終わりがなさそうな階段をずっと2人で降りていると途中にあった扉に私は釘付け状態だった。

理由はよく分からない。

でも何かがあるような私を呼んでいるような感覚がしたのだ。
また神父のようなことがあるかもしれないのにキャッキャとはしゃぎながら扉を開ける彼はとても恐ろしかった。

・・・

ドアの先は埃だらけと思っていた。しかしそんなこと無く寧ろあの地下より綺麗にされていた。まるで毎日掃除していたかのようだ。それほど貴重なものがこの部屋には眠っているということだろう。

『 …明らかに怪しい』

「そう？？とりあえず開けてみよっか」

何事にも怯えずぶつかる彼に先程から驚かされるばかりだ。私たちの目の前にある宝箱とその手前にある他の床と違って少し色が違う床。馬鹿な私でもわかる

"絶対何か飛んでくるやつだ"

爆発されても困る。数歩下がって彼の様子を見る。しかし彼が色の違うところに立っても何も起こらない。私の心配のしすぎだったのだろうか。いや、私のことを魔女と言ったり家があるとかよく分からないことを言う彼だきっと何かトリックがあるに違いない。きっとそうだ。

宝箱がギィィと音を立てた時私の方に風が吹いてきた。
窓もないドアは閉めている部屋に風が吹くなんてありえない。私は目を擦り彼の背中を見つめ続けた。

「あ、見えちゃった？？」

私の顔くらいのサイズの棒を持つ彼の背中には透明な翼がついていたのだった。

「詳しいことは家で…ね？」