オトコギライ。永瀬廉 (ページ31)

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廉くんＳＩＤＥ

小瀧先輩に何言われんねやろ ... って
少しびびりながら待ってたら

『廉くん ... ？』

聞き慣れた声。

やけど腕も脚も頭も包帯巻かれてて、
小瀧先輩のケガと関係してるってすぐ分かった

俺が尋ねると、昨日あったこと話してくれた

小瀧先輩のケガも、木村が言った言葉も、

全部俺のせいやったんや。

『ほんまに気にせんでな？』

動揺とかショックとか、いろんな感情が
混ざって目が泳ぎっぱなしの俺に、
ちゃんと顔見て言ってくれた。

やけど、Aの顔だって目に光がないって
いうか、暗い顔。

声だっていつもより元気ないし ... 。

少しは俺のせいや思ってんねやろ ... ？

男嫌い、せやのに知らん奴に無理矢理触られて
誰だって俺のこと責めるに決まってるやん。

『いつまで考えこんでるん？』

廉『当たり前やろ、俺が ... 』

『なあ、いいかげんキレんで？』

普段全く怒らへんAが
キレた口調で言ってきて、

『廉くんのせいやないって言うてるやんか
元々家に送るって約束もなかったやん、
悪いのは全部あの集団やねん』

廉『でも ... 』

『でもやない、何回言えば分かんねん、
廉くんのせいや思ってんなら昨日のこと全部
本人呼び出して話すわけないやろ、あほ！』

ほんまに俺のせいって思ってないん ... ？

『せやから元気出してよ ...
そんな顔せんといて、』

どこまでお人好しなん？

こんな優しい子居る？

廉『ごめん、ありがとう』

そう言うといつもの笑顔で頷いてくれた。

ほんまに高嶺の花やん、こんな人。

男嫌いって分かってる。

分かってるけど、でも ...

廉『 ... なあ、俺に触れられるん、嫌 ... ？』

こんな言葉を発してしもた。

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