夢の中へ【魘夢】 (ページ25)

今日:3 hit、昨日:0 hit、合計:13,646 hit

22 ページ25

ハァ、ハァと息を切らしながら頭を下げる乗務員

乗「い、言われた通りやりました…！お願いです、妻と子に会わせて下さい…！！」

魘「…ご苦労さま。いいよ。」

魘夢が血気術を発動させる。

乗務員はそのまま眠りについた。

「…この人にやらせたって事？」

魘「そう！その報酬としてこいつにも夢を見せてあげるんだよ。」

「なるほどね！それで、このまま食べるの？」

魘「向こうの車両はもう終わったみたいだから、あっちの人間から食べようね」

そう言って私の頭をぽふぽふと撫でる。

彼に着いてゆく途中で少年少女とすれ違ったが魘夢が何も言わなかったから私もスルーした。

奥の車両には死んだ目をした人間達がぼぅっと座っていた。

私達の姿は見えているのか、どうなのか分からない。反応がない。

魘「ここに居る人間は皆廃人になってる。俺が血気術を解くまでこいつらは夢の中だよ」

「へぇ〜(興味無)」

私は近くにいた女の腕を引っ張って立たせる。

「…こんばんは〜」

女「……。」

返事はない。

半目の状態で眠ってんのか。

「…いただきますね〜」

そのまま腕に噛み付いてちぎる。

「…ほんとに寝てんの？」

魘「寝てるよ。夢の中さ」

なーんか変なの。そう呟いて食べる口を動かした。