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大きな音を立てて走る蒸気機関車。
それを山の上から眺める私と魘夢。
「…近くに行かないの?」
私がそう聞くと魘夢がニコッと笑った
魘「行くよ。行くけど、お腹空いてない?」
「空いてる。」
そう、かなり空いてる。
だって日が落ちてすぐだもん。何も食べてない
「ご飯食べてから行くって事?」
魘「ふふ、電車でご飯を食べよう」
「それって」
私が言い終わるより先に姫抱きされて大きく飛ぶ。
私も飛べるんだけど、と言いたかったけど姫抱きされるのも悪くないからそのまま大人しくしている。
一瞬で走っている蒸気機関車の上に着く。
優しく下ろされ、ふぅ、と一息つく。
「…ご飯って乗客の事?」
魘「そうだよ、勘がいいねAは。」
流石俺の嫁さん。と私の額に接吻する。
ふふ、と少し照れ笑いをした後に私は機関車の先頭に向く。
「でもこんだけ人がいたら逃げられたりしちゃいそうだけど、大丈夫かな。」
魘「心配いらないよ。乗客全員、眠っているからね」
え?と聞き直すと、魘夢は連結部分に降りる。
魘「おいで。」
そう言われ私も同じ場所に降りる。
そのまま車両の中に入った。
「…ほんとに寝てるのね。」
魘「うん。俺の血気術さ」
「いつの間に。」
魘「直接手を下したのは俺じゃないさ。」
そう言うとガラ、と後ろの扉が開いた。
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